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知られざるパタゴニア、美しい湖と活火山の街プコンでトレッキング(世界一周179〜182日目)

その名前が持つの響きから何となく憧れを持ち、旅行中に絶対に訪れたいと思っていたパタゴニア南米大陸を流れるコロラド川以南の地域の総称で(Wikipediaより)、ひとくくりにパタゴニアと言ってもそこで楽しめるアクティビティは多岐に渡ります。

特に有名なのは、アウトドアブランド「パタゴニア」のロゴのモチーフにもなっているFitz Roy(フィッツロイ)や、一面に広がる青い氷河・Perito Moreno(ペリトモレノ)、トレッキングの聖地として名高いTorres del Paine(トーレスデルパイネ)国立公園、最南端の街、Ushaia(ウシュアイア)あたりでしょうか。

今回、パタゴニアを訪れるにあたって後悔なく満喫するために日本語と英語でリサーチをし、目的地のひとつにしたのがPucon(プコン)でした。


Puconは首都Santiago(サンティアゴ、サンチャゴ)から約700km南下したVillarrica(ビジャリカ)湖畔の街。ラフティングやカヤッキングなどのウォーターアクティビティの他、トレッキングや活火山への登山もできると聞いて心が踊ります。
https://maps.app.goo.gl/xTNbY
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市街地から20km南には、チリで最も活発な活火山のひとつであるVillarrica山があります。その頂上は夏でも雪で真っ白。形は富士山のような裾広がりの美しい山です。
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Puconのアクティビティで最も有名なのが、このVillarrica登山。活火山への登山とは何とも魅力的な響きですが、登山にはアイゼン等の専門的な用具が必要で、基本的にはガイドを伴いデイツアーでの登山になることが判明。また、ツアーの費用も1人あたり最安で75,000CLP(約13,000円)といい値段。一方、登山のハイライトは頂上でのクレバス観察とソリ滑りでの下山。私たちが求める「道中の移り変わる景色」は望めそうになかったため登山は見送ることにしました。


対して、Huerquehue(ウェルケウエ)国立公園での湖巡りトレッキングは大いに満喫できるものでした。街の中心部からローカルバスが出ているため工程を自由にアレンジできるのも○。

当日は、始発の8時半のバスで国立公園へ向かいます。
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https://maps.app.goo.gl/oZWEu

終点でバスを降り、エントランスでチケットを購入。チリ人と外国人で価格は異なるものの、現金払いでシステムはとてもシンプル。それなのに、なぜかチケットを求める人々で大行列ができており、入園までに30分ほど並ぶことになりました。
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入園後、エントランスの真横にある湖沿いに約2km歩き、川を越えると森に入ります。道も平坦な砂利道から傾斜のある山道へ。
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途中、視界が開けるとVillarrica山を背景にした青い湖が見られます。
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1時間ほど山登りをしたところで現れるのはLago Chico(ラゴ・チコ=小さい湖)という湖。すっきりと晴れ、風のない穏やかな日だったこともあり、湖面は鏡のように周囲の風景を映し出します。青と緑が広がる景色は東山魁夷の描く世界を彷彿とさせるものでした。
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続いて現れるのはLago Verde(ラゴ・ベルデ=緑色の湖)。
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森の中にはこの地の固有種であるAraucania(アラウカニア)という木が生えています。何となくバオバブの木を彷彿とさせるシルエットです。
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Lago Verdeを過ぎるとコースが2つに分かれます。通常は一周約2kmのところ、大回りをすると距離は6kmに大幅増。幸い時間もあったため、今回は大回りのコースに挑戦してみました。違いは見られる湖の数。通常のコースでは計3つの湖が見られるところ、4km余計に歩くとさらに2つの湖を目にできるよう。ウェブでも通常コースに関する記事が多く、労力を余計にかけることでどのような景色に出会えるのか期待に胸が踊ります。

しかし、実際に大回りのコースで目にした湖は、いずれも規模が小さく美しさも劣るものでがっかり。道中はアップダウンが激しい山道。加えて、湖畔で昼食をとろうとしたところをアブのような虫に付き纏われ、山道を走って逃げる羽目に。泣きっ面に蜂とはこのことです。腹を立てながら4kmをひたすら歩いたため、写真も撮っていません。


13時過ぎに最後の湖、Lago Toro(ラゴ・トロ=雄牛の湖)に到着。ここでようやく昼食休憩です。
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15時半頃エントランスに戻ってトレッキングは終了。1日4本しか走っていないローカルバスを17時まで待ち、Puconの街へ戻りました。


今回、大回りのコースを歩いてみて、ハイライトは通常のコースで網羅されていると感じました。今後Huerquehue国立公園でトレッキングをされる方には通常のLago Chico、Lago Verde、Lago Toroを回るコースがおすすめです。

Huerquehue国立公園の基本情報

・ローカルバス:4,000CLP(往復)
・入園料:5,000CLP(外国人、大人)
※いずれも2019年1月時点




英語が通じる場所が少ない南米で役に立つアプリやウェブサイトをまとめました。
ahrd.hatenablog.com


パタゴニアの見どころやアクセス方法をまとめた記事はこちら。日本からは行きにくい場所なので、余すところなく満喫するのが吉。
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パタゴニアでは美しい自然に感動する傍ら、Barilocheで誤ったバス停の情報をつかまされたり、Torres del Paine国立公園で乗り物の接続が悪かったりと、ことあるごとに腹を立てながら過ごしていた私たちの旅をご笑覧ください。
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