南米一美しいトレッキングルート、孤高のフィッツロイ(世界一周191日目)
El Calafate(エル・カラファテ)から約200km北に位置するEl Chalten(エル・チャルテン)は、小さい村ながら美しい自然を楽しめるトレッキングルートがたくさんある素晴らしい場所です。パタゴニアの中でも南部にあり気候条件が厳しいため、12月頃から3月頃までとシーズンは短く、アクセスもよくはありませんが、苦労してでも訪れる価値があると思います。私にとってはこれまで経験したトレッキングの中で最も美しい場所でした。
https://maps.app.goo.gl/Dc1k3
今回は日帰りで2つのルートを歩きました。中でも、アウトドアブランド「パタゴニア」のロゴにもなっているFitz Roy(フィッツロイ)を目にしたときの衝撃は言葉ではうまく表現できません。
Fitz RoyはEl Chaltenの村からもその一部を見ることができますが、Laguna de los Tres(3つの湖)という湖を目指す片道約10kmのルートを歩くのがおすすめ。詳しい地図はEl Chaltenのビジターセンターで入手可能です。
(紫色でマークされているのがFitz Royへの道)
私たちは、朝焼けに赤く燃えるFitz Royを見るために5時に宿を出発。もちろん日の出前で真っ暗なのでヘッドライトを点け、身を切る寒さの中、ダウンとウィンドブレーカーを着込んで歩き始めます。
初っ端から登りが続きますが、黙々と歩を進め1時間強で途中のビューポイントに到着。予定よりも30分以上早く到着してしまい、食事をとる気にもならないような極寒の中、震えながら太陽が昇るのを待ちます。
夜明け前の薄明かりの中で初めて目にしたFitz Royは、険しくも気高く凛とした佇まい。寒さを忘れて見惚れる美しさでした。
日が昇るにつれて刻々とその色を変えていく姿を堪能した後にトレッキング再開。
ルート自体も変化に富んでおり、湿地にかかる木製の歩道を通ったり、
底が見渡せる程澄んだ川にかかる制限人数1人の橋を渡ったり、
Fitz Royを横目に低木の中を歩いたり。
そして、最後に待ち受ける長く急な岩場を登りきるとLaguna de los Tresの後ろに聳え立つFitz Royが現れます。
空にはコンドルが舞い、「絶景」とは正にこの景色のためにある言葉だと言えるものでした。
復路はLaguna Capri(カプリ湖)へ寄り道。
来たときには暗くて見えなかった風景に驚きながら帰路を歩きます。
14時にEl Chaltenに到着。途中、写真を撮ったり昼食休憩をはさみながら、往復約25kmの道を9時間かけて楽しみました。
南米では砂漠から氷河までたくさんの道を歩きましたが、Fitz Royへのトレッキングはその比類なき美しさのみならず、道中の景色を含めて最も素晴らしいものでした。再訪したい場所です。
El Chaltenへの行き方
①El Calafate(エル・カラファテ)からバスで往復する
シーズン中は複数社が毎日バスを運行していますが、旅行客も多いためバスのチケットは事前に手配しておくのが安全です。デメリットは、El Calafateでの宿泊日数が増えること。
②El Calafateの空港からバスで向かう
他の都市からEl Calafateへ空路で訪れる場合に便利です。
③Bariloche(バリローチェ)から出ている直通バスを利用する
MargaとChalten Travelというバス会社が直通バスを運行しているとの情報をインターネットで見かけたのですが、真偽不明です。Chalten Travelに問い合わせた際には、「この時期は直通バスは運行していない」との返信がありました。また、バスの運行本数も限られているようで、バスの運行状況やチケットの購入など詳細についてバス会社に直接問い合わせる必要があり面倒です。
Fitz Royへのトレッキングルート
紫色のルートがFitz Royへのトレッキングルート。始点はEl Chaltenの街の北側に位置しています。
https://maps.app.goo.gl/gU4ci
途中で2か所分岐があり、朝焼けを見る場合は初めの分岐でLaguna Capriとは違う方(東側)のルートへ進みます。次の分岐(Poincenot)では、Laguna de los Tres方面へ。始点からゴールのLaguna los Tresまでは約10km。途中で頻繁に案内板があるため迷うことはないと思います。
英語が通じる場所が少ない南米で役に立つアプリやウェブサイトをまとめました。
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エル・チャルテンを余すところなく満喫しよう!
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