南米・パタゴニアを歩き倒そう!見どころと所要日数、アクセス方法まとめ
「そこにしかない自然を楽しむ」をモットーに、世界30か国を周遊した夫と私の中で印象深かったのが南米のパタゴニア。本当に絶景のオンパレードで、アクセスしにくかったり物価が高かったりというデメリットに鑑みてもお釣りがくるほど素晴らしい場所でした。
「パタゴニア」と一口に言っても、アルゼンチン南部を流れるコロラド川以南の地域の総称なのでその範囲は広く、いくつもの見どころがあります。日本語で検索してヒットする情報には偏りがあったため、英語を併用して収集した情報と私たちの経験をまとめました。パタゴニアへの旅を計画する際にご参考いただければ幸いです。
いつ行く?ベストシーズンは12月から2月
暖かくて過ごしやすい夏(12月から2月)がおすすめです。
以下のウェブサイトでは、夏は旅行者が多く風が強いとのことで、旅行者が少なく動植物の観察に適した季節として春(9月から11月)と秋(3月から5月)もおすすめされていますが、気温が低くなるのと降水確率が上がるようです。
The Best Time of Year to Visit Patagonia Is Not When You Think » Cascada Expediciones
私たちが訪れた2月は、日中は暖かいものの、朝晩や雨の日はダウンとウインドブレーカーを着込んでも震えるような寒さでした。アウトドア経験が豊富な方や人とは違った経験がしたい方以外は、多少の混雑(と価格の高騰)には目をつむって夏季に訪れるのがよいのではないかと思います。
どこへ行く?都市別アクティビティと最低所要日数
旅をはじめてトレッキングの楽しさに憑りつかれた私たち。パタゴニアでも大地を踏みしめながら美しい景色を眺めたいと考え、アトラクションを調べてみると、チリとアルゼンチンにまたがって点在していることがわかりました(以下の地図参照)。
ここからは、見どころと所要日数を南北に分けてご紹介します。なお、所要日数は休憩なく観光した場合の日数です。ご自身の体力や時間的な余裕に鑑みて適宜行程を調整してください。まずは北部から。
プコン(Pucon:1.5~2.5日)
ドイツ系の移民によってつくられ、街並み自体も小ぎれいなリゾート地。ウエルケウエ(Huerquehue)国立公園での湖巡りトレッキングがおすすめ。
資金に余裕があれば、ツアーに入って雪を頂いた活火山、ビジャリカ(Villarrica)山に登ることもできます。
所要日数としては、アクティビティに1日ずつ確保し、街中散策は半日あれば十分かと思います。
サン・カルロス・デ・バリローチェ (San Carlos de Bariloche:1.5~4.5日)
「南米のスイス」の異名を持ち、チョコレートショップが多いバリローチェ。セロ・カテドラル(Cerro Catedral)にあるフレイという名の山小屋(Refugio Frey)へのトレッキングコースは、魅力的なコースが充実する南米の中でも上位に入る楽しさでした。私たちは日帰りでしたが、テント泊ができるならフレイを通り過ぎてハコブという山小屋(Refugio Jacob)まで行くことも可能です。
ジャオジャオ半島では、アップダウンの少ない森の中のハイキングを楽しめます。私たちには景観の変化が乏しく感じられ、最後は惰性で歩くことになりましたが、コバルトブルーに輝く湖を眺めたり、シナモンスティックのようなオレンジ色の幹のアラヤンという木に触れたりすることができます。ジャオジャオ半島とバリローチェのあいだはセロ・カンパナリオ(Cerro Campanario)という小高い丘があり、その頂上からも湖を見晴らすことができます。
所要日数としては、フレイに1~2日、ジャオジャオ+セロ・カンパナリオに1日、バリローチェの街中散策は半日あれば十分でしょう(お買い物が好きな方は1日とってもいいかもしれません)。
プエルト・マドリン(Puerto Madryn:1日)
浜辺に乗り上げて狩りをするシャチの特異な行動が見られるバルデス半島(Peninsula Valdes)への拠点の街。今回の旅では、ガラパゴスで海の生物との触れ合いに満足していたため見送りましたが、野生動物好きな方は検討されてはいかがでしょうか。動物観察ツアーは1日だったと記憶しています。
続いて、南部の見どころ。
マーブルカテドラル(1日)
湖にある洞窟。水の浸食で削られた岩の内部がマーブル模様になっており、写真で見るととても美しい場所です。しかし、アクセスが困難なこと、天候により洞窟内に入れない可能性があること、ウェブ上にある写真が大幅に加工されている様子だったことから、費用対効果が低いと判断し、今回は見送りました。
エル・チャルテン(El Chalten:2~3日)
アウトドアブランドのパタゴニアのロゴにもなっているフィッツ・ロイ観光のお膝元。フィッツ・ロイの麓にある湖までは日帰りで往復でき、夜明け前に出発すれば朝日に赤く染まるフィッツ・ロイを見ることもできます。「朝日に輝くフィッツ・ロイを間近で拝みたい!」という方は、2日確保し途中のキャンプ場でテント泊する必要があります。
エル・チャルテンにはいくつかのトレッキングコースがあるため、2日以上確保することを強くおすすめします。道のりが穏やかで景観は変化に富むラグナ・トーレ(Laguna Torre)へのコースも素敵でした。
エル・カラファテ(El Calafate:1日)
ペリト・モレノ(Perito Moreno)という氷河に近い街。ヒエロ・イ・アヴェントゥーラ(Hielo y Aventura)というツアー会社では、氷河の上を歩くツアーを催行しています。
プエルト・ナタレス(Puerto Natales:2日~)
フィッツ・ロイと双璧をなすトーレス・デル・パイネ(Torres del Paine)国立公園への拠点の街。テント泊をしながら国立公園内の主要どころを訪れる「Wコース(2泊3日~3泊4日)」や、公園内を一周する「Oコース(6泊7日~)」が有名。
私たちはテント泊用の装備を持っておらず、公園内の宿泊施設は高価だったため、「Wコース」のハイライトであるトーレス・デル・パイネと、グレイ氷河(Grey Glacier)を日帰りで訪れることに。結果、十分楽しむことができました。
なお、個人的には国立公園の運営方法への不信感が強く残っており、道中の景観などを踏まえても「エル・チャルテン圧勝!」という感じでした。
ウシュアイア(Ushuaia:所要日数不明)
世界最南端の街、ウシュアイア。南東にあるマルティージョ島(Isla Martillo)はペンギンの島として知られ、有数のペンギン観光スポットのようですが、あまり惹かれずスキップすることに。
どうやって回る?都市間の移動はバスがおすすめ
パタゴニアは南北に長いため、北部または南部から観光を開始し、チリとアルゼンチンを交互に訪れながら南下または北上していくのが効率がよいと思われます。
飛行機は早いですが、空港から街へのアクセスを考えるとバスを使う方が総合的な利便性が高いかもしれません。繁忙期の夏場は、複数のバス会社がそれなりの頻度でバスを運行しています。
バスの検索には、「Recorrido」というウェブサイトが便利。チリとアルゼンチンを運行するバスを検索したり、チケットを購入することができます。一般的な常識とは異なりウェブサイトでチケットを購入する方が割高なことが多いですが、私たちが乗車したバスには満席のものも多かったため、多少の手数料を払ってでも事前にチケットを購入しておくことをおすすめします。
私たちが訪れた場所・移動手段・滞在日数
チリの首都サンティアゴから、アルゼンチンの首都ブエノス・アイレスまで計3週間の旅でした。休憩を含めての滞在でしたが、振り返ってみるとプコンとプエルト・ナタレスの滞在日数は1~2日少なくしてもよかったと感じています。
from | to | 移動手段 | 滞在日数 |
サンティアゴ | プコン | 夜行バス | 4泊5日 |
プコン | バリローチェ | バス | 4泊5日 |
バリローチェ | エル・カラファテ | 飛行機 | 2泊3日 |
エル・カラファテ | エル・チャルテン | バス | 3泊4日 |
エル・チャルテン | エル・カラファテ | バス | 1泊2日 |
エル・カラファテ | プエルト・ナタレス | バス | 5泊6日 |
プエルト・ナタレス | リオ・ガジェゴス | バス | 1泊2日 |
リオ・ガジェゴス | ブエノス・アイレス | 飛行機 | - |
※バリローチェ、エル・カラファテ間はバスが満席で予約できず、不本意ながら飛行機での移動となりました。
※いくつかのブログには、バリローチェとエル・チャルテンを結ぶバスがあるとの情報が記されていましたが、私たちが訪れたときにはエル・カラファテ、エル・チャルテン間の運行しかありませんでした。
※リオ・ガジェゴスは単なる中継地です。
英語が通じないことが多い南米で役に立つアプリとウェブサイトをまとめました。
持ち物は以下の記事をご参考ください。
夜明け前に白く凛とした姿を現したフィッツ・ロイに感動したり、トーレス・デル・パイネ国立公園でオペレーションの質の低さに腹を立てたり、私たちの体験や感情をありのままに綴った世界一周日記をアマゾン電子書籍で販売中です。南米への移動の待ち時間にお楽しみいただければ幸いです。