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北海道での車旅2/2:阿寒・屈斜路・摩周・知床・釧路(世界一周355~360日目)

北海道での車旅(前編)はこちら

 

北海道旅の後半戦は阿寒湖・屈斜路湖摩周湖から。北東へ知床まで向かい、その後南下して釧路を観光して、新千歳空港で車を返却するというスケジュール。ちょうどねぶた祭りの時期と重なっていたため青森も観光することにし、新千歳空港から札幌を経由して函館まで下ってフェリーで青森へ移動しました。

 

残念ながら5日間の行程の中で心の琴線に触れたのは摩周湖系の観光地のみ。

布施明の『霧の摩周湖』から、霧が立ち込める幻想的な湖を想像していた摩周湖は、天気に恵まれ摩周ブルーを目にすることができました。Wikipediaによると、日本で最も透明度が高く、急激に深くなっている地形から青色以外の反射が少ないようで、この日も一般的な河川や湖と比較してマットな質感すら感じさせる深い藍色をたたえていました。

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摩周湖に注ぐ川の支流にある神の子池は、摩周湖とは対照的に澄み切った空色。水温が低いため、池の中に落ちた木が腐らずに保たれているそう。もののけ姫の世界を彷彿させる神秘的な場所でした。

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同じ湖でも、阿寒湖と屈斜路湖はいまひとつ。阿寒湖で有名なマリモは、船に乗らないと辿り着けない島の観察センターでしか観察できないよう。屈斜路湖は、湖畔の砂地を掘ると温泉が出るのですが、観光地化されていないのかシャベルなどの道具が置いてあるわけでもなく楽しめませんでした。先に訪れた人が残していったと思われる穴の中の水は、表面に油が浮いており手を入れる気にもなれず。

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北海道を訪れた主目的である知床は、ちょうどヒグマの活動期。この時期、知床五湖を観光するためにはガイドツアーへの参加が必須でしたが、複数の観光情報から知床観光=知床五湖巡りだと考えていた我々は、「観光は個人で」というポリシーを曲げてツアーに参加することにしました。しかし、湖によって景色が異なる訳でも、さまざまな鳥や動物を目にできる訳でもなく、ヒグマの生態や知床の自然の豊かさに関するガイドの説明を聞きながら森の中を散策するだけ。ガイドの話しはとても興味深いものでしたが、知床五湖を見るためにツアー料金(1人5,000円と安くはない金額)を支払ったつもりだったため、期待値と提供される価値がマッチせずに消化不良でした。知床の自然について深く学びたい人を除いて、個人で散策できる一湖を見るだけで十分。知床峠からの眺めも、ただ山と森が広がるだけでした。

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天然記念物に指定されるタンチョウの生息地にして日本最大の湿地である釧路湿原。世界的にも高く評価されているようですが、タンチョウは冬にやって来るとのことで不在。その他にも、サンショウウオやイトウなどの希少な生物を育んでいるとのことですが、湿地内に敷かれた木道を歩いてみても動物は目にできず。観光地というよりも自然保護区という方が近く、深く学習してはじめてその価値を理解できる場所という印象。釧路湿原ならではの景観を期待して訪れた私たちには素晴らしさがわかりませんでした。

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釧路では、北海道を訪れたからには海の幸を堪能したいと和商市場を訪れてみました。丼のご飯を購入し、その上に好きな具を乗せて自分好みの海鮮丼をつくれることで有名だそうですが、刺身が1切れで100円以上とかなり強気の価格設定。店先に並べられた切り身もさほどおいしそうに見えず、早々に退散です。

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というわけで、残念ながら北海道旅の後半はがっかりする経験が多く、海外にはない日本独自の自然を楽しみたいと考えていた私たちは意気消沈。

 

加えて、車中泊をする際に利用したキャンプサイトの運営にも疑問が。公営のキャンプサイトが多く、設備はそれなりに充実しており管理も行き届いているのに無料で利用できる場所が多数あるのですが、利用しているのは年配の人ばかり。数名と会話する機会があったのですが、関東から避暑のために自家用車で北海道を訪れ、無料のキャンプサイトで1~2か月のあいだ滞在しているそうです。税金で運営されていることを考えると、現在の納税者はその恩恵を受ける機会が少ないと改めて感じました。

キャンプサイトの中には車中泊を禁止している場所があるのにも驚きました。テントサイトへの車の乗り入れを制限したり、水や電気の補給が必要なキャンピングカーを断るという思想は理解できるのですが、駐車場があるにも関わらず乗用車での車中泊を禁じるのには納得感がありません。

また、宿泊の受け付け時間も杓子定規的。繁忙期以外は事前予約を不要とするサイトが多いにも関わらず(そして実際に空いている)、早いところでは17時、遅くても18時までには管理者が不在になる場所がほとんどでした。1日の観光を終えてキャンプサイトを訪れる場合、到着時刻は早くても17時頃。ミスマッチが起きていると感じました。なお、事前にキャンプサイトを予約する場合にも、受け付けは電話とファックスのみが一般的で、この点にも不自由を感じていました。

 

おまけ。日本では車旅の強い味方である中古CDショップをフル活用。それなりの規模の都市を訪れるとカーナビでGEOを探し、お気に入りの曲が入ったアルバムを買い漁りました。スピッツの『三日月ロック』は今でも出番の多いアルバムです。

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