アメリカ車旅1/3:ヨセミテ・キングスキャニオン・デスバレー(世界一周319~328日目)
1年に渡る旅行の最終目的地はアメリカ。元々はアメリカに続いてアフリカを訪れ、五大陸すべてに足を踏み入れる予定でしたが、アフリカでは何をするにもツアーに入る必要がありそうで、今でなくとも経験できると考え今回は見送ることに。
アメリカには「世界の絶景」系の記事で常に上位を占める国立公園が数多く存在します。今回は、San Francisco(サンフランシスコ)で車を借りて、約3週間かけてアメリカ南西部の国立公園を訪れようと計画していました。
前半戦は、San Franciscoを発ち、Yosemite National Park(ヨセミテ国立公園)、Sequoia / Kings Canyon National Park(セコイア・キングスキャニオン国立公園)、Death Valley National Park(デスバレー国立公園)を観光して、Las Vegas(ラスベガス)でひと区切り。
旅のお供はトヨタのカローラ。日本で販売されているカローラより車幅があり、室内の空間も広い印象。アイスランドで小さい車に慣れていたため、乗り始めて数日は、対向車や右折時に車体を擦らないかと寿命の縮む思いでした。
San Franciscoでは1日観光に費やし、Golden Gate Bridge(ゴールデン・ゲート・ブリッジ)やAlcatraz Island(アルカトラズ島)、Fisherman's Wharf(フィッシャーマンズワーフ)などの主要な観光地を見学。アメリカきっての住みやすい街がどのようなものか期待していましたが、蓋を開けてみれば郊外にある大きめの港町という感じ。観光地としてもあまり心惹かれるものはありませんでした。街は起伏が激しく、急な角度の坂道に所狭しと車が停目られている様子はなかなかシュールなものがあります。
この急な坂道でアイスランドで負傷した股関節の痛みが再発。夫から帰国するかアメリカで診察を受けるかという究極の選択を迫られ、国立公園でのトレッキングを諦めるという苦渋の決断をすることに。
San Franciscoを出発し、途中のショッピングモールで食料とSIMカードを調達。大きめのウォルマートに寄ったにも関わらず、陳列されているのは常温や冷蔵・冷凍の加工食品のみ。野菜や果物、肉などの生鮮食品の取扱いが一切ないことに驚愕です。
結局、6時間かけてYosemiteに到着。一般道で時速60km以上、高速道路では時速100km以上で走行していましたが、観光中に出会ったSan Francisco郊外に住んでいるというアメリカ人夫妻曰く3時間程度の距離とのこと。恐るべし、アメリカ人のスピード感覚。
前述の通り股関節の安静のため、Yosemiteでは園内を車で移動しながらビューポイントで降車して景色を眺めるという怠惰な観光スタイルでした。確かに見上げるような巨石に囲まれた景観には圧倒されるのすが、自分の足で歩いていないためか今ひとつ印象に残らず。Yosemite Fallsを含む渓谷全体を対岸から望むValley View Pointと、Half Dorm(ハーフドーム)をはじめ園内にある主要なポイントを上から一望できるGlacier Pointからの眺めは壮観でした。
続くKings CanyonとSequoiaは期待外れ。巨木が密度高く群生している恐竜が住む森のような風景を想像していたため拍子抜けでした。
かの有名な(?)地球上でもっとも体積が大きいというGeneral Sherman(シャーマン将軍の木)や、人の手で倒木をくりぬきトンネル状にしてあるTunnel Log(トンネルログ)も、自然を楽しむという感じがなく今ひとつ。
Kings Canyon・Sequoiaでは、アメリカに来て初めてキャンプサイトに宿泊。Yosemtieのロッジで出会ったアメリカ人から素晴らしいキャンプサイトだと聞いており、木が生い茂る中に自分たちのスペースが広めに確保されていることにぬか喜びしましたが、設備としてはテーブルとイス、焚火台、熊除けの巨大金属ロッカーがあるだけ。トイレには石鹸がなく、水道は地面に立った柱に蛇口が据え付けられているもので、バクテリア発生により飲水不可とのこと。水道がある場所で食器や衣類を洗うことは禁止されており、わざわざバケツ等で各自のサイトまで水を運ぶ必要があります。炊事場とシャワーが常設され、場所によっては洗濯機やWifiも使えるアイスランドのキャンプサイトがいかに恵まれた環境であったかを痛感すると共に、まだまだ続くアメリカでのキャンプ生活を思い気が重くなる私たちでした。
Kings Canyon・Sequoiaには当初3泊する予定でしたが、見どころも少なくキャンプサイトの環境もいまひとつだったため1日早く発つことにしました。決断したのは当日でしたが、キャンプサイトの管理人が面倒見のいい気さくなおばちゃんで、1泊分をキャンセルしたい旨を相談してアドバイス通りに手続きをおこなった結果、全額返金されたのは幸運でした。
1日分の余裕ができたため、Kings Canyon・SequoiaからLas Vegasまでの約800kmの行程を二分し、中間に位置する街で1泊することに。結果として、Death Valleyに寄る時間を確保することができました。
Death Valley近辺はとにかく暑く、午前10時には40度に到達する勢い。道中、「オーバーヒートを防ぐためにエアコンを切れ」との看板や、オーバーヒートした車を路肩に停めてレスキューを待っている様子の観光客を目にし、冷や冷やしながら運転していました。
Death Valleyは予想に反して地球の荒々しさを感じることのできる満足度の高い場所でした。特に印象的だったのはArtist's Paletteという粋な名前が付けられている色とりどりの岩山。鉱物により緑や赤、オレンジに色付く岩山は世界中にありますが、ここではラベンダーや水色、ピンク色の部分もあり目を奪われます。
Dante's Viewという高台からの景色も見事。
ただ砂漠に草が生えている場所はDevil's Cornfield、塩の塊が地面を覆う場所はDevil's Golf Courseと名付けられています。前述の2つのポイントとの名前の差がすごい。
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