夜行バスと列車を乗り継ぐ地獄の移動を越えてハンピへ(世界一周56・57日目)
インドを巡る旅、最後の目的地はHampi(ハンピ)。夫の入念なリサーチにより、Hampiには遺跡が点在し村全体が世界遺産に登録されている場所であること、自然も多くウォーキングが楽しめそうだということが分かり訪れてみることに。
しかしこのHampi、非常にアクセスが悪い。Aurangabad(オーランガバド)から直行できる交通手段がなかったため、乗り継ぎが少なく、コストも抑えられる以下のルートをとることに。
①AurangabadからHubli(ウブリ): 夜行バス、約670km
②HubliからHospet(ホスペット): 列車、約150km
③HospetからHampi: ローカルバス、約10km
道中、期待を裏切らずいろいろハプニングが起こったため記事にしてみました。思わず力が入り、観光に関する記事より内容が充実するのが悲しい。
①AurangabadからHubli
事前にRedBusというサイトからオンラインで夜行バスを予約。私たちは予約時に必要なインドの携帯番号を保有していないため、列車の予約と合わせて旅行代理店を営むインド人Raj(trainticketplease@gmail.com)にチケット手配を依頼。
※Rajを頼って鉄道チケットを手配した記事
https://ahrd.hatenablog.com/entry/2018/09/07/003247?_ga=2.262891209.498904840.1538580892-1588733166.1533695407
バスは15時出発、翌4時に到着予定。今回はエアコン付きの豪華バス。寝過ごさぬよう夕方に仮眠をとろうとしたものの、付属のテレビで映画を大音量で流すという無駄なサービスが眠りを妨害。映画が終了した後は、乗客のインド人が自分のスマートフォンでテレビや音楽を再生(もちろんイヤフォンはつけない)。続いておじさんの高らかないびきが安眠を妨げます。
今回は列車への乗り継ぎがあったため、事前に列車駅でバスを降車したい旨を伝えていました。しかしながら、早朝4時にバスが停車したのは高速道路の真上。側道にバス運行会社の社名が掲示された掘っ立て小屋があり、そこに行けと無理矢理バスを降ろされます。
まだ日も登らない暗闇の中、閉ざされたシャッターを叩き、出てきたインド人の運転するバンで今度こそ列車駅へ。と思いきや、今度は市内のバス停で降ろされたため、バックパックを背負い、全く土地勘のないインドの都市を駅まで約1km歩く羽目に。接続が悪すぎる!
②HubliからHospet
列車駅には5時過ぎに到着。私たちが事前に予約していた列車の出発は16時過ぎ。バスが大幅に遅れる可能性に鑑みて余裕を持ったスケジューリングをしていました。ここでは、10時間以上待ってエアコン付き・客層がよい車両で向かうか、1時間程度で来るものの誰が乗ってくるか分からない一般席で向かうか、という選択肢のあいだで悩むことに。
結果、後者を選択。運賃は驚きの35ルピー(約55円)。エアコン付き車両が約770円なので、車両によりかなり傾斜をつけ客層をコントロールしている様子。
一般車両には、4〜5人座れる席が向き合うボックス席と、通路を挟んで1人席が向き合う席があり、それが1車両に4セット程度設置されています。窓には鉄格子が嵌められており、そこから列車の煙と土埃が舞い込んできます。
同乗者は、母+子5人のインド人。私たちが座席に腰を下ろした瞬間に幼い子どもに物乞いをさせる母親。否応なくアドレナリンが分泌されます。その後4時間に渡る乗車中、このインド人親子を警戒するあまり身も心も休まらず疲労蓄積。ようやくHospet駅に到着したのが12時前。
③HospetからHampi
当初はローカルバスで向かう予定でしたが、Hampi出身というTuk tukのドライバーに食い下がられ、価格交渉の末、80ルピー(約120円)で交渉成立。恐らくローカルバスよりは割高ですが、10km超という距離を考えると悪くない価格と判断しました。
ゲストハウスまでは何事もなく到着。部屋は綺麗に掃除されており、インドでは珍しくベッドシーツや枕カバーも洗濯済みの様子。ようやく腰を落ち着けられると安心し、早速観光へ。
その後、夕食を済ませて戻ってきたら停電が発生。インドでは頻発するため驚きませんが、オーナー不在で電気が復旧せず途方に暮れました。近くのレストランでオーナーに電話をしてもらい、最終的に電気は戻ったものの、ゲストハウスの管理体制に不安を感じて宿を移ることに。この時点で既に22時。付近の宿泊施設の扉を叩き、1軒1軒部屋と価格を確認すること約1時間。ようやく条件に合う宿を発見。価格交渉も抜かりなくおこない、23時に大荷物を持って引っ越し完了。
そろそろ問題なく旅を進めたいものですが、インドでは望めそうにありません。それでもHampiは来る価値のある場所でした。
長旅で私たちを支えてくれた食料たち。写真にはありませんが、最近のエースは栄養価が高く飽きがこない最強の食料・バナナです。