人生を遊ぶ

ロンドン滞在記(世界一周214〜220日目)

長かった南米の旅を終え、Buenos Aires(ブエノスアイレス)からLondon(ロンドン)へ。待ちに待ったヨーロッパ周遊の幕開けです。

早朝3時半に到着したLondonは雨。半袖で過ごしていた真夏の南米から一転、ヒートテック上下+ダウン+ウィンドブレーカーの重装備を要する寒さは日本を出て以来初めてです。滞在先はZone3に位置するLondon郊外の住宅地でしたが、空港からバスと地下鉄を乗り継ぎ難なく到着。地下鉄の磁気カードを購入しようと券売機に近づくと、係の人が丁寧に案内してくれ、無料で配布しているカードケースまでもらいました。人の親切さと英語が通じる利便性に感動。
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London滞在は1週間でしたが、市内観光と友人宅の訪問、Oxford(オックスフォード)へのデイトリップであっという間に時間が過ぎていきました。


市内観光で最も楽しかったのはNatural History MuseumとNational Gallary。前者は世界各地に生息する動物の剥製や進化の歴史、人体の仕組み等、自然や生物に関する展示が目白押し。丁寧に見ようと思ったら1日では足りない規模と充実の内容です。
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National Gallaryでは、大英帝国が陰に陽にその力を使って収集した圧巻のコレクションに嘆息。これまで美術に関心がなく、美術館の企画展しか見たことがありませんでしたが、様々な年代・地域で産まれた絵画を一度に目にすることで自分の嗜好を認識するよい機会となりました。
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残念ながらBig Benは改装中。建設中のビルかと勘違いするような状態でした。
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冬枯れのHyde ParkとJames's Parkでは、春を告げる桜が咲き始めていました。
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市内にはCity等の一部を除いて古い建物が残っています。Buckingham Palaceを筆頭に、建物はきらびやかなものではないのですが、質素な中にも品のある好ましい街並みを形成しており、「こんな街に住んでみたい!」と思わせられるものでした。
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Londonには夫の元上司で家族ぐるみでお付き合いしている方が駐在しており、約1年半ぶりの再会。閑静な住宅街にある新築の(高級)低層マンションにお邪魔し、温かいおもてなしを受けました。気のおけない人々とリラックスして過ごす時間と、ネパール以来の日本食(微妙なカツ丼)に、日本に一時帰国したかのように錯覚しました。あまりの居心地のよさに土曜日の午後から日曜日の夜まで居座ってしまいました。

また、ベトナムはHalong Bay(ハロン湾)でのクルーズで偶然出会ったイギリス人ご夫妻にも再会。当時は1泊2日のクルーズで会話を持つ時間も限られていましたが、Londonを訪れる旨を連絡すると歓迎してくれました。彼らの家はLondonの中心部から約25km離れた郊外の緑豊かな街。近くのカフェでEnglish Breakfastをご馳走になった後、ご自宅でAfternoon Teaをいただき再会を喜び合いました。イギリス人の食生活を垣間見られたのも興味深く、中でもコストを度外視した豪華なAfternoon Teaは帰国後に自宅でも試してみたいと思っています。
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デイトリップで訪れたOxfordは、London以上に趣のある美しい街でした。
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2度目の訪問という夫の案内の下、街の中に点在しているOxford大学のキャンパスに足を運びました。カレッジ毎に建物のデザインが異なり外から眺めているだけでも見応えあり。
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(Trinityカレッジ)
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(Radcliffe Camera。大学の一部で図書館として使われているよう)
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(大学のセレモニーをおこなうSheldonian Theatre)
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(Christ Church。これもカレッジのひとつで、この地域の大聖堂でもあるそう。ハリー・ポッターのロケ地としても有名)
昼食はOxfordで一番のパイというPieministerへ。Covered Marketに軒を連ねています。
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全体としてとても満足感の高いLondon滞在となりました。今回は時期が早くイギリス北部は見送ったため、6月頃に戻ってくるのが今から楽しみ。そして願わくば一度はイギリスに住んでみたい…!

アルゼンチン側から見るイグアスの滝(世界一周208・209日目)

Buenos Aires(ブエノスアイレス)から夜行バスで20時間かけて向かったのは、イグアスの滝観光の拠点となる街Puerto Iguazu(プエルトイグアス)。行きも帰りも同じバス会社を利用したのですが、食事の内容がまったく異なりました。不思議。
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(1枚目が往路で配られたサンドイッチ+焼き菓子。2・3枚目が復路で配られた軽食と夕食)


イグアスの滝の観光には時間がかかるとの情報を目にしていたため、当日は張り切って5時半に起床。

Puerto Iguazuからイグアスの滝へは路線バスで約20分の距離。以前は複数社がバスを運行していたようですが、現在はRio Uruguay社が独占しており運賃も往復で320ペソ(約900円)と強気。数十ペソの時代もあったようなので、かなりのインフレです。独禁法はここには存在しません。
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始発のバスは7時と聞いて早目にバス停に向かうと、既にバスがおり7時前にバスは出発。結果、7時過ぎにはエントランス前に到着してしまいました。しかしながら開園は8時。チケット売り場も15分前にならないと開かないようで、その場で30分程待機することを余儀なくされます。
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アルゼンチンとブラジルにまたがるイグアスの滝は、アルゼンチン側とブラジル側にそれぞれ国立公園があり鑑賞できるようになっています。今回訪れたアルゼンチン側の公園内は広く、公園の最奥にあり最大の見所であるDevil's Throatはエントランスから3km強の距離があります。
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(オレンジ色のラインがDevil's Throatの観光ルート。滝は北西に位置します)
歩けない距離ではないのですが、時間の節約のため園内を走る電車(無料)を利用しました。乗車人数が限られているため、始発の電車に乗ろうと入園後は早歩きで駅へ。すると途中で道の段差に躓いて盛大に転び、両膝を負傷。周りの外国人には「Oh!」と言われる始末。30代も半ばにして生傷が絶えません。
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(園内を走る電車。時速5kmと激遅)

Devil's Throatへは、駅から川の中に設置された遊歩道を1km程歩いてアプローチします。遠くからでも水飛沫が狼煙のように上がっているのが見え、その勢いが伺えます。
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期待に胸を膨らませながら近寄ってみるも水飛沫で煙り全容がつかめず、見えるのは滝の一部だけ。大量の水が落ちる轟音が響き渡っていました。
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(2枚目は離れた場所から撮影したDevil's Throat。これまでに見てきた他の滝とは比べ物にならない水量です)

次に向かったのは、滝を上から観察できるUpper Trail。熱帯雨林のあいだから垂直に落ちる滝が一面に広がる様子は、Devil's Throatの迫力とは異なる雄大さ。
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遊歩道は川の上流をまたぐように設置されており、滝が落ちるのはほんの数メートル先。足元の水流も早く「運悪く橋が崩れたら助からないな」という想像が頭から離れません。これまでの経験からアルゼンチン人への信頼が低下しており、内心ヒヤヒヤしながら川の上を歩きました。

最後はLower Trailへ。ここでは滝の全体像を見ることができます。
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一番手前の滝に近寄るトレイルもあり、水飛沫と轟音で大迫力!
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この日は晴天だったためそこここで虹も見られ、荒々しい滝とのコントラストを楽しみました。


すべてのコースをゆっくり回ってコースの起点となる場所に戻ってきたのが11時過ぎ。1日掛かりで観光するつもりで早朝から活動を開始しましたが、蓋を開けてみると半日で十分でした。


その後、園内のベンチに座って持参したパンとバナナで昼食を開始するとどこからともなくアカハナグマが出現。
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タヌキのようなおっとりした見た目とは裏腹に、人間の食事を狙う悪名高い動物です。あっという間に7〜8頭の群れに囲まれ、私がパンとDulce de Leche(キャラメルのペーストのようなもの。アルゼンチンの国民食)を守っているあいだ、回り込んできたアカハナグマに気付かずバナナを盗られた夫。食後のバナナを楽しみに、ミルクも卵もバターも入っていない味気のないパサパサのパンを我慢して食べていた我々にとっては大損失です。
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(その後も集団で人間の食べ物を襲うアカハナグマたち)

バナナの喪失感に打ちひしがれながら帰路へ。夫はずっとアカハナグマへの呪詛を吐き続けていました。道中、アジアにいるのとは顔つきの違うサルに遭遇するも、動物への警戒心から写真を撮影してそそくさと退散。
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イグアスの滝からPuerto Iguazuへ戻るバスも定期運行されており、あっという間に帰宅です。


Puerto Iguazuではキッチンが使用できない宿に滞在していたため、たまたま見つけた量り売りでビュッフェを供するレストランをフル活用。外食で不足しがちな野菜の種類が豊富なのと、食べる分だけ支払うリーズナブルなシステムが気に入り、昼夜利用していました。
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コストにシビア(貧乏性とも言う)な我々は、質・量ともに効率を上げるべく改善を重ね、「炭水化物よりも野菜と肉を優先する」「トマトやジャガイモ等の重い野菜はとらない」「廃棄率が高い骨つき肉はとらない」等々のルールをつくり、1人あたり210ペソ(約600円)で満足できる食生活を送っていたのでした。セコすぎるのでブログに書くのは憚られたのですが、これも生活ということで残しておきます。
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Bakery and Confectionery El Albol Real
https://maps.app.goo.gl/jkrqc


イグアスの滝基本情報>
・Puerto Iguazuから国立公園へのバス運賃:320ペソ(往復)
・イグアス国立公園入園料:700ペソ(外国人、大人)
※国立公園入園料はクレジットカード払いが可能
※上記はいずれも2019年2月時点

<Buenos AiresからPuerto Iguazuへのバスチケットを安く購入するコツ>
・バスのチケットは、RecorridoやBusbud等のウェブサイトから購入するよりバスターミナルの窓口に行く方が値引き交渉ができるため安価に購入できます。
 バスターミナルの場所:
 https://maps.app.goo.gl/kHuae
・私たちが訪れた際、Crucero del Norte等は現金払いの場合のみ2割引、Via Barilocheのみクレジット決済でも2割引でした。
・Puerto IguazuでもBuenos Airesへのチケットの購入は可能ですが、クレジット決済不可と言われました。旅程が決まっている場合はBuenos Airesで往復のチケットを手配する方がよさそうです。私たちは往復で購入したところ往路は2.5割引になったため、往復で購入する方が割引率が上がるかもしれません。

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ブエノスアイレス観光記(世界一周201〜212日目)

南米観光の最後の地、Buenos Aires(ブエノスアイレス)。次なる目的地、London(ロンドン)へのフライトチケットが最も安くなる日まで待っていたことと、ヨーロッパの旅程を組む時間を確保するために、Iguazu(イグアス)へのショートトリップをはさんでBuenos Airesには2週間滞在しました。

到着日は蒸し暑く、日本の真夏のような気候でしたが、3日目の豪雨の後は暑さは影を潜め、過ごしやすい日々が続いていました。


Buenos Airesの観光地は東の方に密集しており、メトロやバスで簡単にアクセスできます。Bariloche(バリローチェ)で高値掴みした磁気カード「SUBE」をフル活用。
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(メトロやバスを利用する際に必須。なぜかBarilocheとBuenos Airesは共通のカードを利用しています。帰国後に不要になったためジモティーで出品中。)

ここには、世界に対して競争力のある観光地がいくつかあります。しかしながら、ただの箱物なので特におもしろいものでもありませんでした。
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オペラ座スカラ座と並び世界3大劇場とされるTeatro Colon)
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(世界で最も道幅が広い9 de Julio。片道6車線)

恒例の中心広場(Plaza de Mayo)には「ピンクハウス」と呼ばれる大統領府が隣接しています。
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Caminito(カミニート)と呼ばれる地区にはカラフルな建物が立ち並びますが、既視感を覚える光景で新鮮さはありません。
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いつもは夫が各地で髪を切っていますが、日本を発って約半年。さすがに私も伸び放題の髪を切ることに。価格だけ見て入った美容室の技術があまりに低く、髪質を踏まえて段を入れるでもなく、ただ指で髪を押さえて一直線にハサミを入れていくのみ。左右の長さを鏡で確認しているにも関わらず、仕上がりはガタガタ。さすがに落ち込んだ私の様子を見かねて夫(素人)が1時間かけて髪を切り揃えてくれました。


あまり高く評価されることのないアルゼンチンの食事ですが、牛肉だけは別。街中に散見される肉屋では、値段の割に味も悪くない牛肉が手に入ります。
基本的には自炊の日々でしたが、レストランでもasado(アサド)と呼ばれる熾火で焼いた牛肉を味わうことができます。私たちは滞在先のホストに教えてもらったレストラン「Las Cabras」を訪れ、約3,000円でヒレ肉やチョリソー、部位不明のブロック肉をお腹がはち切れそうになる程食べました。
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https://maps.app.goo.gl/fRBuk

また、滞在していたPalermoと呼ばれる地区は、ペルーの友人Franciscoが安全で便利な場所として紹介してくれた地域。SOHOにはお洒落なレストランやカフェもたくさんあります。地図上で見つけて足を踏み入れたVive Cafeでは、思いがけずクリーミーで香りとコクのある美味しいカフェラテを飲むことができました。
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https://maps.app.goo.gl/4noK5

Buenos Airesで入り浸っていたのはカフェ「El Galeon」。1軒目の宿が不潔すぎて自炊ができず、たまたま見つけて足を踏み入れたのですが、1人200ペソ(約600円)程度で満腹になるボリュームの食事がとれて味もまあまあ(一般的には1人300ペソ=900円程度)。Wifiは早く、私たちの中では最強のコストパフォーマンスを誇る店でした。
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(上:鶏肉のグリルを1枚はさんだサンドイッチ、下:これでもかとチーズをかけたピザ)
https://maps.app.goo.gl/UpMVW

ちなみに、チリと比べてアルゼンチンのスーパーは清潔感が劣り、肉や青果の品揃えもいまひとつ。専門店の方が美味しい食材が手に入るため、肉や野菜、果物は肉屋や八百屋で購入していました。加えて、アルゼンチン人はスーパーで大量の食品や日用品を購入するため、レジはいつも大渋滞。会計のために30分列に並ぶことも日常のようでストレスでした。


おまけ。Buenos Airesで2軒目に滞在した家にいたマルチーズ。人懐こくて甘えん坊で可愛かった子たち。
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Buenos Airesのメトロやバスを利用する際に必須の交通ICカードジモティーに出品しています。興味があればお問い合わせください。
jmty.jp


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日帰りで堪能するトーレスデルパイネ国立公園1/2:トーレスデルパイネ編(世界一周194日目)

パタゴニア地方で最後に訪れたのがチリのPuerto Natales(プエルト・ナタレス)。ここは、Fitz Roy(フィッツロイ)と双璧をなすTorres del Paine National Park(トーレスデルパイネ国立公園)の拠点となっている街で、規模は小さいながら中心部は旅行客でそれなりの賑わいを見せています。


私たちは、アルゼンチンのEl Chalten(エル・チャルテン)からバスで国境を越え、約7時間かけてPuerto Natalesのバスターミナルに到着。外観は、一見すると国立競技場やコロッセオに思えるような立派なものですが、内部はこの地域でバスを運行しているバス会社がカウンターを並べる普通のバスターミナルです。
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街から公園までは100km以上離れているため、バスを利用して移動します。4社がバスを運行しているようですが、供給よりも需要が多いためかただのなまけか、私たちが訪れたときに窓口に係員がいたのはBuses Gomezという会社のみ。チケットの価格も同じだったため、Buses Gomezで6時45分発のバス(始発)のチケットを購入しました。と言っても座席の予約はできず早い者勝ち。窓口では乗客数を管理していない様子だったため、座席数以上の人にチケットを販売している可能性があると踏み、当日は出発の30分前にバス乗り場に行き、朝食をとりながら陣取りをしていました。
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公園の入り口にはレンジャー事務所があり、入園券を販売・チェックする機能があります。事前に調べた情報によると、入園券はレンジャー事務所でしか取り扱っておらず、支払いは現金のみとのこと。チリの都市に滞在するのはPuerto Natalesが最後だったため、チリペソを手元に残さないよう極力クレジットカードを利用し、やむを得ない場合のみ現金で支払っていたのですが、必要に駆られて仕方なく入園料の42,000CLP(約7,000円:2019年2月現在)をATMで引き出しました。

しかしながら、実際にはバスターミナルの奥の目立たないスペースに出張事務所があり、事前に入園券を購入できるようなシステムに変更されていました。そしてなんと、支払いはクレジットカードかデビットカードのみ。現金は不可とのこと。入園券の購入を除いて40,000CLP超の支出の予定はなく迷ったのですが、公園入口のレンジャー事務所は大行列だと聞いていたため、泣く泣くバスターミナルで購入することに。別室で入園前に観ることが義務付けられている自然を守る心得的なビデオも鑑賞し、結果としてかなりの時間短縮になりました。
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さて、いよいよ翌日はTorres del Paine国立公園へ。ここには、公園自体の名前にもなっているTorres del Paine(トーレス・デル・パイネ=パイネの塔)やFrench Valley(フランス谷)、Grey Glacier(グレイ氷河)など、見どころがたくさんあります。

野外泊をしながらこれらの主要なポイントを数日かけて歩く「W」と名付けられたトレッキングコースへの挑戦も考えたのですが、テントすら持っていない野外活動初心者の我々にはハードルが高すぎ、かと言って食事付きの山小屋に宿泊するとかなりの費用がかかるため、今回は日帰りでTorres del PaineとGrey Glacierを訪れました。


初日はTorres del Paineへのトレッキング。まず、公園入口のレンジャー事務所で前日に購入した入園券と身分証明書を提示し、レンジャーのサインを受けて入園登録を済ませます。
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ここから小型バスに乗り換え(これも有料。1人3,000CLP)、お土産屋さんとカフェが同居する小さなビジターセンターの前でバスを降りてトレッキング開始。
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はじめの2.5kmは平原を横断する平坦な道のり。短い草の間にキツネやウサギの影も見えます。
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川にかかった橋を渡ると、道はだんだん険しくなっていきます。この辺りは人が歩く道と馬が通る道が標識で区別されているのですが、馬の道の方が歩きやすそうだったのが釈然としませんでした。
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山を登ると、次に現れるのは風が強い谷沿いの道。
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ゆるやかな起伏の道を谷に沿って約3.5km歩き、最後に川を渡るとChileno(チレーノ)というキャンプサイトに到着です。ここまでで約2時間。
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その後は、何度か川を渡りながら木の生い茂る中を歩き続けます。
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木が少なくなって視界が開けると、遠くにこれから越える岩山がそびえ立っているのが見えます。
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前日に訪れたPuerto Natalesの街にある観光案内所では、数日間は天候が安定してトレッキング日和と聞きましたが、実際は1日中強い雨が降っていました。ビューポイントに向かう最後の登り道では、人間が歩くことのできる瓦礫の間を水が流れて足元は最悪。
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最後の1kmは気温が低い中、風が吹き荒んで大変な道のりでした。
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肝心のビューポイントでも、3つ連なる塔の先端は雲に隠れて目にできず。凍えるような寒さで長居もできず、写真を数枚撮ってあっという間に退散しました。
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途中で昼食休憩を挟みながら、同じ道を引き返して3時間強でビジターセンターに到着。16時前にはトレッキングを終えたものの、バスの本数が少ないため街に戻ることができず、館内のイスに座って2時間以上バスを待つことになったのでした。


 

トーレスデルパイネ国立公園を日帰りで楽しむシリーズ2/2
ahrd.hatenablog.com


英語が通じる場所が少ない南米で役に立つアプリやウェブサイトをまとめました。
ahrd.hatenablog.com


パタゴニアの見どころやアクセス方法をまとめた記事はこちら。日本からは行きにくい場所なので、余すところなく満喫するのが吉。
ahrd.hatenablog.com


パタゴニアでは美しい自然に感動する傍ら、滞在費を節約するためにAirbnbで宿を手配したり、スーパーを探して自炊したりという日々を送っていました。また、Torres del Paine国立公園の運営以外にも、ことあるごとに腹を立てながら過ごしていた私たちの旅をご笑覧ください。
ahrd.hatenablog.com

フィッツロイだけじゃない!エル・チャルテンをもっと楽しむラグナ・トーレへのトレッキング(世界一周190日目)

Fitz Roy(フィッツロイ)があまりに印象的なため霞みがちなLaguna Torre(ラグナ・トーレ)ですが、こちらも道中の風景を楽しめる素晴らしいトレッキングルートでした。せっかくEl Chalten(エル・チャルテン)を訪れるのなら、Fitz Royを見るだけではもったいない!丸2日確保して両方歩くのがおすすめです。
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この日も朝焼けを見るために5時半に宿を出発。
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真っ暗な中、ビューポイントまで約3km歩き、日の出を待ちながら持参したパンとDulce de Leche(アルゼンチンの国民食。キャラメルペースト)で朝食。
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太陽が昇るに従ってCerro Torre(セロ・トーレ)と頂上だけ見えるFitz Royが赤く染まっていきます。残念ながらこの日は雲があり全貌は見えませんでしたが、Fitz Royに比べると知名度が低いためか周りに人はおらず景色を独占し贅沢なひとときを過ごしました。
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明るくなった後はトレッキング再開。正面には雪が残るCerro Torre、左手には氷河湖のようなくすんだブルーグレー色の川を見ながら、清々しい朝の空気の中を進んでいきます。
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そして、最後に砂利の山を登り切るとLaguna TorreとCerro Torreが目の前に!
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帰りは来た道を引き返し、お昼前にはEl Chaltenの街に戻って来てしまいました。Fitz Royへの道のりよりはアップダウンが少なく距離も短いため、El Chaltenでの滞在初日にウォーミングアップがてらチャレンジするのがよさそうです。私たちは日の出を見るためにかなり早く出発しましたが、正午前からトレッキングを始める人も多いようでした。また、子供連れの家族とも何組もすれ違いました。

道中には木漏れ日が差す森や
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運が悪ければ割れてしまいそうな簡素な橋、
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雪を頂く山脈を望む平原等があり、視覚的にも飽きの来ないルートです。
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El Chaltenへの行き方

①El Calafate(エル・カラファテ)からバスで往復する

シーズン中は複数社が毎日バスを運行していますが、旅行客も多いためバスのチケットは事前に手配しておくのが安全です。デメリットは、El Calafateでの宿泊日数が増えること。

②El Calafateの空港からバスで向かう

他の都市からEl Calafateへ空路で訪れる場合に便利です。

③Bariloche(バリローチェ)から出ている直通バスを利用する

MargaとChalten Travelというバス会社が直通バスを運行しているとの情報をインターネットで見かけたのですが、真偽不明です。Chalten Travelに問い合わせた際には、「この時期は直通バスは運行していない」との返信がありました。また、バスの運行本数も限られているようで、バスの運行状況やチケットの購入など詳細についてバス会社に直接問い合わせる必要があり面倒です。
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Laguna Torreへのトレッキングルート

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オレンジ色のルートがLaguna Torreへのトレッキングルートです。Fitz Royへのルートとは異なり、始点はEl Chaltenの街の西側に位置しています。以下地図のあたりの丘に踏み跡があり、登っていくと案内板が設置されています。
https://maps.app.goo.gl/5mmEaaYnasnmhtrc7
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始点からゴールのLaguna Torreまでは約9km。途中、キャンプサイトのDe Agostiniへの道が分岐になっているものの、どちらのルートをとっても最終的には同じ場所に辿り着きます。頻繁に案内板があるため迷うことはないはず。




英語が通じる場所が少ない南米で役に立つアプリやウェブサイトをまとめました。
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パタゴニアの見どころやアクセス方法をまとめた記事はこちら。日本からは行きにくい場所なので、余すところなく満喫するのが吉。
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パタゴニアでは美しい自然に感動する傍ら、Barilocheで誤ったバス停の情報をつかまされたり、Torres del Paine国立公園で乗り物の接続が悪かったりと、ことあるごとに腹を立てながら過ごしていた私たちの旅をご笑覧ください。
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Fitz RoyへのトレッキングコースとLaguna de los Tresからの眺めは、南米一美しいものでした。必見です。
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