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日帰りで堪能するトーレスデルパイネ国立公園2/2:グレイ氷河編(世界一周195日目)

Torres del Paine(トーレス・デル・パイネ=パイネの塔)へのトレッキングの翌日は、Grey Glacier(グレイ氷河)へ。日帰りで訪れるのは難しいというブログ記事も目にしましたが、Torres del Paineに比べると高低差が少ないため、それなりにアップダウンがある道を時速4キロで歩ければ十分アクセス可能です。

 

前日同様、Puerto Natales(プエルト・ナタレス)の街からバスに乗り、レンジャー事務所(地図のB地点)を通過してPudeto(プデト:同C地点)でバスを降ります。

Pudetoからフェリーに乗り換え、トレッキングの視点となるPaine Grande(パイネ・グランデ:同湖の西側の地点)へ。バスの運行スケジュールからフェリーの繁忙時間帯を予測できそうなものですが、なぜかここで1時間以上の待機を余儀なくされました。

 

また、フェリーポートには簡易な桟橋が設けられているだけで、乗船券の購入場所や乗船方法に関する案内があるわけでもなし。次第に乗客は増え続け、結局100名近くがフェリーを待っている状態に。一方、到着したフェリーは思いの外小型。私たちは万一の場合に備えて先頭の方に何となく列をつくっていたからよかったものの、フェリーの到着までのんびり過ごしていた人々は乗船できるか気が気でなかったものと思われます。

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フェリーの乗船時間は約30分間。距離にして11kmですが、価格は往復で30,000CLP(4,000円超:2019年2月時点)。これは乗船後に船内の入り口付近にあるカウンターのような場所で支払い、引き換えにチケットを入手します。

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すでに入園料やバスの運賃を支払っているのですが、取れるところからは容赦なく取ってやろうという思想のようです。高額な料金を支払っているにも関わらず運営は効率が悪く、Torres del Paine National Park(トーレスデルパイネ国立公園)への好感度は低下の一途を辿ります。

 

実際、この日は6時に滞在していた家を出発し、トレッキングを開始できたのは11時半過ぎ。一方、フェリーの最終出航時刻は18時半。このエリアの最大の見どころであるGrey Glacierへは12kmの距離があるため、日帰りで訪れる場合には起伏のある往復24kmの道のりを7時間で駆け抜けなければなりません。バスの出発時刻が前倒しになったり(現在は6時45分が始発)バスとフェリーの接続が改善されたら、時間に余裕をもって観光できるのにと残念な気持ちでいっぱいです。

 

 

Torres del Paineへの不平不満を散々述べてきましたが、ここからは実際のトレッキングの様子です。フェリーを降りた後は、湖を背にして山へ向かって歩を進めます。

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湖畔の平坦な場所を抜けると、徐々に道の勾配が強くなっていきます。途中、瓦礫で踏み跡が判別しにくい場所もありますが、マーカーを頼りに北西に向かって進みます。

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山の裾に沿って約3km進むと左手にLaguna los Patos(ラグーナ・ロス・パトス=アヒルの池)が広がります。

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この池の北東を回ると、目の前にLago Grey(ラゴ・グレイ=グレイ湖)が姿を現します。よく見ると湖には流氷も浮かんでおり、氷河が近いことを予感させます。

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そしていよいよ氷河を遠めに見晴らすことができるビューポイントに到着です。フェリーが到着した湖畔から6km、氷河を間近に望めるビューポイントまでのちょうど中間に位置しています。この日はとても風が強く、湖にせり出した岩の上から写真を撮ろうとすると、風に煽られて吹き飛ばされそうになりました。

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時刻は13時半。当初の計画では、ここで引き返そうと考えていたものの、ここまでの速度から逆算すると少しペースを上げれば最後のビューポイントに辿り着ける希望が見えてきました。私自身の体力に不安を持ちながらも、行けるところまで行ってみようと前に進みます。

 

ところどころで山の上にある氷河や、ごうごうと音を立てながら山から流れ落ちる滝を写真に収めながらも、基本的には脇目も振らず、風に背中を押してもらいながらゴールを目指します。

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そして、15時前にようやくビューポイントに到着。岩山から氷河を望みます。

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私はすでに虫の息。岩山に登る体力も気力もなく、湖畔に留まって流れ着いた流氷や氷河を眺めます。

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せっかく辿り着いた氷河にも長居はできず、5分でUターン。帰路は来た道を小走りで駆け抜けます。私は自分の荷物を夫に持ってもらい、心の中で一歩ずつ数えながら無心で足を動かして何とかついていく始末。それでも2時間半で6kmを駆け抜け、17時過ぎにフェリー乗り場に到着したのでした。

 

湖畔には、1時間以上先のフェリーを待つ人ですでに長蛇の列が。

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私たちの後にもどんどん列は伸び、明らかに行きよりも多くの人がフェリーの到着を待っていました。案の定、出発時刻ぎりぎりになってのんびりと現れた最終のフェリーには収まりきらず、急遽もう1便追加されることに。と言っても、この湖では1台のフェリーでピストン輸送しているため、最終便の往復を待ち、戻ってきた船に乗ることになるわけです。私たちもあわや乗船できないかと肝を冷やしましたが、最後に追加で乗船を許された10名に入ることができ、19時半近くに対岸に辿り着くことができたのでした。

 

ほっと一息ついたのも束の間、フェリーを降りてバスに乗り込むと、フェリーの最終便に乗れなかった予約客を待つの待たないのと各バス会社のドライバーが頭を寄せ合って相談を始めます。最終的には運行会社の垣根を越え、今いる乗客を寄せて先に輸送するという結論に達するのですが、うまく計算が合わなかったようで何度かバスを乗り換えさせられ、その度に預け入れ荷物の出し入れをするのでどんどん時間が経過していきます。さらに、座席数の関係から先発組に入れなかった人々は、最終便を逃した組を待つことになった模様。トレッキングよりも効率の悪さに対して腹が立ち、どっと疲れた1日でした。

 

パタゴニアではいろいろなコースを歩きましたが、Torres del Paineは天候の悪さを除いても費用対効果が低すぎるため、無理に「W」コースに挑戦しなくてよかったという結論に達しました。これにて3週間かけて5都市を回ったパタゴニアの旅は終了です。

 

 

英語が通じる場所が少ない南米で役に立つアプリやウェブサイトをまとめました。

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パタゴニアの見どころやアクセス方法をまとめた記事はこちら。日本からは行きにくい場所なので、余すところなく満喫するのが吉。

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パタゴニアでは美しい自然に感動する傍ら、滞在費を節約するためにAirbnbで宿を手配したり、スーパーを探して自炊したりという日々を送っていました。また、Torres del Paine国立公園の運営以外にも、ことあるごとに腹を立てながら過ごしていた私たちの旅をご笑覧ください。

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Puerto Natalesでパタゴニア周遊を終えたあとは、アルゼンチンのBuenos Aires(ブエノスアイレス)で観光しました。 

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