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日帰りで堪能するトーレスデルパイネ国立公園1/2:トーレスデルパイネ編(世界一周194日目)

パタゴニア地方で最後に訪れたのがチリのPuerto Natales(プエルト・ナタレス)。ここは、Fitz Roy(フィッツロイ)と双璧をなすTorres del Paine National Park(トーレスデルパイネ国立公園)の拠点となっている街で、規模は小さいながら中心部は旅行客でそれなりの賑わいを見せています。


私たちは、アルゼンチンのEl Chalten(エル・チャルテン)からバスで国境を越え、約7時間かけてPuerto Natalesのバスターミナルに到着。外観は、一見すると国立競技場やコロッセオに思えるような立派なものですが、内部はこの地域でバスを運行しているバス会社がカウンターを並べる普通のバスターミナルです。
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街から公園までは100km以上離れているため、バスを利用して移動します。4社がバスを運行しているようですが、供給よりも需要が多いためかただのなまけか、私たちが訪れたときに窓口に係員がいたのはBuses Gomezという会社のみ。チケットの価格も同じだったため、Buses Gomezで6時45分発のバス(始発)のチケットを購入しました。と言っても座席の予約はできず早い者勝ち。窓口では乗客数を管理していない様子だったため、座席数以上の人にチケットを販売している可能性があると踏み、当日は出発の30分前にバス乗り場に行き、朝食をとりながら陣取りをしていました。
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公園の入り口にはレンジャー事務所があり、入園券を販売・チェックする機能があります。事前に調べた情報によると、入園券はレンジャー事務所でしか取り扱っておらず、支払いは現金のみとのこと。チリの都市に滞在するのはPuerto Natalesが最後だったため、チリペソを手元に残さないよう極力クレジットカードを利用し、やむを得ない場合のみ現金で支払っていたのですが、必要に駆られて仕方なく入園料の42,000CLP(約7,000円:2019年2月現在)をATMで引き出しました。

しかしながら、実際にはバスターミナルの奥の目立たないスペースに出張事務所があり、事前に入園券を購入できるようなシステムに変更されていました。そしてなんと、支払いはクレジットカードかデビットカードのみ。現金は不可とのこと。入園券の購入を除いて40,000CLP超の支出の予定はなく迷ったのですが、公園入口のレンジャー事務所は大行列だと聞いていたため、泣く泣くバスターミナルで購入することに。別室で入園前に観ることが義務付けられている自然を守る心得的なビデオも鑑賞し、結果としてかなりの時間短縮になりました。
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さて、いよいよ翌日はTorres del Paine国立公園へ。ここには、公園自体の名前にもなっているTorres del Paine(トーレス・デル・パイネ=パイネの塔)やFrench Valley(フランス谷)、Grey Glacier(グレイ氷河)など、見どころがたくさんあります。

野外泊をしながらこれらの主要なポイントを数日かけて歩く「W」と名付けられたトレッキングコースへの挑戦も考えたのですが、テントすら持っていない野外活動初心者の我々にはハードルが高すぎ、かと言って食事付きの山小屋に宿泊するとかなりの費用がかかるため、今回は日帰りでTorres del PaineとGrey Glacierを訪れました。


初日はTorres del Paineへのトレッキング。まず、公園入口のレンジャー事務所で前日に購入した入園券と身分証明書を提示し、レンジャーのサインを受けて入園登録を済ませます。
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ここから小型バスに乗り換え(これも有料。1人3,000CLP)、お土産屋さんとカフェが同居する小さなビジターセンターの前でバスを降りてトレッキング開始。
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はじめの2.5kmは平原を横断する平坦な道のり。短い草の間にキツネやウサギの影も見えます。
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川にかかった橋を渡ると、道はだんだん険しくなっていきます。この辺りは人が歩く道と馬が通る道が標識で区別されているのですが、馬の道の方が歩きやすそうだったのが釈然としませんでした。
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山を登ると、次に現れるのは風が強い谷沿いの道。
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ゆるやかな起伏の道を谷に沿って約3.5km歩き、最後に川を渡るとChileno(チレーノ)というキャンプサイトに到着です。ここまでで約2時間。
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その後は、何度か川を渡りながら木の生い茂る中を歩き続けます。
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木が少なくなって視界が開けると、遠くにこれから越える岩山がそびえ立っているのが見えます。
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前日に訪れたPuerto Natalesの街にある観光案内所では、数日間は天候が安定してトレッキング日和と聞きましたが、実際は1日中強い雨が降っていました。ビューポイントに向かう最後の登り道では、人間が歩くことのできる瓦礫の間を水が流れて足元は最悪。
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最後の1kmは気温が低い中、風が吹き荒んで大変な道のりでした。
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肝心のビューポイントでも、3つ連なる塔の先端は雲に隠れて目にできず。凍えるような寒さで長居もできず、写真を数枚撮ってあっという間に退散しました。
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途中で昼食休憩を挟みながら、同じ道を引き返して3時間強でビジターセンターに到着。16時前にはトレッキングを終えたものの、バスの本数が少ないため街に戻ることができず、館内のイスに座って2時間以上バスを待つことになったのでした。


 

トーレスデルパイネ国立公園を日帰りで楽しむシリーズ2/2
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英語が通じる場所が少ない南米で役に立つアプリやウェブサイトをまとめました。
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パタゴニアの見どころやアクセス方法をまとめた記事はこちら。日本からは行きにくい場所なので、余すところなく満喫するのが吉。
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パタゴニアでは美しい自然に感動する傍ら、滞在費を節約するためにAirbnbで宿を手配したり、スーパーを探して自炊したりという日々を送っていました。また、Torres del Paine国立公園の運営以外にも、ことあるごとに腹を立てながら過ごしていた私たちの旅をご笑覧ください。
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