人生を遊ぶ

アメリカ車旅1/3:ヨセミテ・キングスキャニオン・デスバレー(世界一周319~328日目)

1年に渡る旅行の最終目的地はアメリカ。元々はアメリカに続いてアフリカを訪れ、五大陸すべてに足を踏み入れる予定でしたが、アフリカでは何をするにもツアーに入る必要がありそうで、今でなくとも経験できると考え今回は見送ることに。

 

アメリカには「世界の絶景」系の記事で常に上位を占める国立公園が数多く存在します。今回は、San Francisco(サンフランシスコ)で車を借りて、約3週間かけてアメリカ南西部の国立公園を訪れようと計画していました。

前半戦は、San Franciscoを発ち、Yosemite National Park(ヨセミテ国立公園)、Sequoia / Kings Canyon National Park(セコイア・キングスキャニオン国立公園)、Death Valley National Park(デスバレー国立公園)を観光して、Las Vegas(ラスベガス)でひと区切り。

 

旅のお供はトヨタカローラ。日本で販売されているカローラより車幅があり、室内の空間も広い印象。アイスランドで小さい車に慣れていたため、乗り始めて数日は、対向車や右折時に車体を擦らないかと寿命の縮む思いでした。

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 San Franciscoでは1日観光に費やし、Golden Gate Bridge(ゴールデン・ゲート・ブリッジ)やAlcatraz Island(アルカトラズ島)、Fisherman's Wharf(フィッシャーマンズワーフ)などの主要な観光地を見学。アメリカきっての住みやすい街がどのようなものか期待していましたが、蓋を開けてみれば郊外にある大きめの港町という感じ。観光地としてもあまり心惹かれるものはありませんでした。街は起伏が激しく、急な角度の坂道に所狭しと車が停目られている様子はなかなかシュールなものがあります。

この急な坂道でアイスランドで負傷した股関節の痛みが再発。夫から帰国するかアメリカで診察を受けるかという究極の選択を迫られ、国立公園でのトレッキングを諦めるという苦渋の決断をすることに。

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 San Franciscoを出発し、途中のショッピングモールで食料とSIMカードを調達。大きめのウォルマートに寄ったにも関わらず、陳列されているのは常温や冷蔵・冷凍の加工食品のみ。野菜や果物、肉などの生鮮食品の取扱いが一切ないことに驚愕です。

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結局、6時間かけてYosemiteに到着。一般道で時速60km以上、高速道路では時速100km以上で走行していましたが、観光中に出会ったSan Francisco郊外に住んでいるというアメリカ人夫妻曰く3時間程度の距離とのこと。恐るべし、アメリカ人のスピード感覚。

 

前述の通り股関節の安静のため、Yosemiteでは園内を車で移動しながらビューポイントで降車して景色を眺めるという怠惰な観光スタイルでした。確かに見上げるような巨石に囲まれた景観には圧倒されるのすが、自分の足で歩いていないためか今ひとつ印象に残らず。Yosemite Fallsを含む渓谷全体を対岸から望むValley View Pointと、Half Dorm(ハーフドーム)をはじめ園内にある主要なポイントを上から一望できるGlacier Pointからの眺めは壮観でした。

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 続くKings CanyonとSequoiaは期待外れ。巨木が密度高く群生している恐竜が住む森のような風景を想像していたため拍子抜けでした。

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かの有名な(?)地球上でもっとも体積が大きいというGeneral Sherman(シャーマン将軍の木)や、人の手で倒木をくりぬきトンネル状にしてあるTunnel Log(トンネルログ)も、自然を楽しむという感じがなく今ひとつ。

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Kings Canyon・Sequoiaでは、アメリカに来て初めてキャンプサイトに宿泊。Yosemtieのロッジで出会ったアメリカ人から素晴らしいキャンプサイトだと聞いており、木が生い茂る中に自分たちのスペースが広めに確保されていることにぬか喜びしましたが、設備としてはテーブルとイス、焚火台、熊除けの巨大金属ロッカーがあるだけ。トイレには石鹸がなく、水道は地面に立った柱に蛇口が据え付けられているもので、バクテリア発生により飲水不可とのこと。水道がある場所で食器や衣類を洗うことは禁止されており、わざわざバケツ等で各自のサイトまで水を運ぶ必要があります。炊事場とシャワーが常設され、場所によっては洗濯機やWifiも使えるアイスランドキャンプサイトがいかに恵まれた環境であったかを痛感すると共に、まだまだ続くアメリカでのキャンプ生活を思い気が重くなる私たちでした。

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Kings Canyon・Sequoiaには当初3泊する予定でしたが、見どころも少なくキャンプサイトの環境もいまひとつだったため1日早く発つことにしました。決断したのは当日でしたが、キャンプサイトの管理人が面倒見のいい気さくなおばちゃんで、1泊分をキャンセルしたい旨を相談してアドバイス通りに手続きをおこなった結果、全額返金されたのは幸運でした。

 

1日分の余裕ができたため、Kings Canyon・SequoiaからLas Vegasまでの約800kmの行程を二分し、中間に位置する街で1泊することに。結果として、Death Valleyに寄る時間を確保することができました。

Death Valley近辺はとにかく暑く、午前10時には40度に到達する勢い。道中、「オーバーヒートを防ぐためにエアコンを切れ」との看板や、オーバーヒートした車を路肩に停めてレスキューを待っている様子の観光客を目にし、冷や冷やしながら運転していました。

Death Valleyは予想に反して地球の荒々しさを感じることのできる満足度の高い場所でした。特に印象的だったのはArtist's Paletteという粋な名前が付けられている色とりどりの岩山。鉱物により緑や赤、オレンジに色付く岩山は世界中にありますが、ここではラベンダーや水色、ピンク色の部分もあり目を奪われます。

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Dante's Viewという高台からの景色も見事。

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ただ砂漠に草が生えている場所はDevil's Cornfield、塩の塊が地面を覆う場所はDevil's Golf Courseと名付けられています。前述の2つのポイントとの名前の差がすごい。

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※YosemiteやKings Canyon、Sequoia、Death Valleyをはじめとした国立公園で利用できる年間パスをジモティーで出品しています。ご興味があればお問い合わせください。

 

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アイスランドを節約しながら安全に旅行するためのおすすめアプリ・サイト

氷河や火山、滝など、荒々しく雄大な自然が残っているアイスランド。しかし、とにかく物価が高い、、!特に、支出に占める割合が大きいのが交通費と宿泊費。また、大自然を余すところなく満喫するため、レンタカーでの1周旅やハイキングを計画されている方も多いはず。

この記事では、16日かけて車中泊しながらアイスランドを一周した経験から、アイスランドを節約しながら安全に楽しむためのおすすめアプリと、その効果的な使い方、注意点をご紹介します。

 

 

 

最も安い航空券が探せるSkyscanner(アプリ・サイト)

日本からの距離が遠いアイスランドは、往復の航空券だけで数十万円かかることも。Skyscannerでは、航空会社のキャンペーンのみならず、旅行代理店が扱う格安プランも表示されます。

プロフィール内にある「国/地域」を、飛行機が発着する国(この場合は日本とアイスランド)や、その地域でサービスを展開するキャリアの本社がある国に変更すると、同じフライトでも価格の安い航空券が表示されることがあります。

注意点は、旅行代理店から航空券を購入する場合、費用を支払っても航空券が送付されなかったり、キャンセルや変更に対応してもらえないケースがあること。Skyscanner上に表示される評価を鵜呑みにせず、チケットを購入する前にウェブサイトでレビューを確認したり、旅程が確定してから航空券を購入するなど、利用時には注意が必要です。私たちがこれまで利用したExpedia、Gotogate、Trip.comは、決済後24時間以内にeチケットが送付され、搭乗時にも問題はありませんでした。

www.skyscanner.jp

 

 

コスパの高い宿が見つかるAirbnb(アプリ・サイト)

他のヨーロッパ諸国と比べると物件数自体が少ないものの、Reykjavik(レイキャビク)周辺やアイスランド北部のAkureyri(アークレイリ)では様々な家が登録されています。Airbnbを活用するメリットは、Booking.comやHotels.comなどの予約サイトを使うより安く宿泊場所を確保できること。費用はすべてウェブ決済となっているため、チェックイン時に予約したよりも高い金額を請求されることもありません。

まだアカウントを持っていない方は、以下のリンクからアカウントを作成すると初回の予約で使える3,700円分のクーポンがもらえるようです(一定の条件を満たせば私にも2,850円分還元されます)。なお、アカウント登録の際には電話番号を使用したSMS認証を要するため、出国前に日本で登録しておくことをおすすめします。

www.airbnb.jp

 

 

オフラインでも使える神地図アプリMaps.me(アプリ)

事前に地図をダウンロードしておくことで、オフラインでも使用可能な神アプリです。本当に便利なのでぜひ使ってみてください

Googlemapと連動しているようで、観光地や飲食店、宿泊施設の情報も充実しています。また、地図上にマークをつける機能があるため、事前に調べておいた観光地や飲食店をメモしておくことができます。GPSによる現在地表示や目的地へのルート案内機能もあり、ガイドブックをたくさん持ち歩いたり、街中で道に迷うことがなくなります。アイスランドは道路も単純なため、Vegagerdinという道路情報サイトと併用すればカーナビ要らず。

地図は国や地域の単位でダウンロードしたり削除できるため、無駄にスマートフォンの容量を使わない点も優秀。

maps.me

 

 

現在地の登録とオフラインでの緊急通報が可能な112(アプリ)

自然は美しくも、時に人の命を奪うこともあります。このアプリをダウンロードして移動の度に位置情報を送信しておくと、有事の際、蓄積された情報に基づいて捜査や救助がおこなわれるため、アクションの精度が上がります。

緊急時にはオフラインでも通報ができる(テキストで位置情報が送信される)のも心強いところ。特に、ハイキングやキャンプなどの野外活動を個人でおこなう際には必須のアプリです。

play.google.com

 

 

各地の天気予報をリアルタイムで確認できるVedurstodin(アプリ)

天候のみならず、降水確率や雨雲の動き、風などの情報をリアルタイムかつ時間の経過と共に確認できるアプリです。特に天候が不安定なハイランドを訪れる際や、野外活動をおこなう前に活用するのがおすすめ。

play.google.com

 

 

レンタカー旅行の強い味方、道路情報Vegagerdin(アプリ・サイト)

アイスランドの道路は、季節や天候によって閉鎖される場合があります。また、内陸のハイランドには、法律で4WDのみ走行を許されているFロード(道路の番号のあたまに”F"がつく)が存在します。

Vegagerdinはアイスランド国土交通省が運営しており、最新の道路状況や天気予報が集約されています。レンタカーでアイスランドを旅行される際に活躍するサービスです。

www.road.is

 

 

治安情報を確認できる海外安全ホームページ(サイト)

その名の通り、犯罪やテロ、自然災害などの各地の安全情報が掲載されている外務省のウェブサイト。調査機関によっては世界一安全な国とされるほど治安のいいアイスランドですが、世界情勢が目まぐるしく変化するこの頃。念のため、日本出国前に確認しても損はないと思います。

なお、諜報に優れるイギリスが運営するForeign Travel Adviceのページの方が具体的で実態に即した情報が多いため実用的かと思います。

www.anzen.mofa.go.jp

www.gov.uk

 

 

流行中の感染症や健康に関する情報が掲載されるFORTH(サイト)

厚生労働省が運営するウェブサイト。流行している感染症や出国前に接種すべきワクチンなど、海外で健康に過ごすための情報が掲載されています。こちらもあくまで参考情報として、時間があれば目を通しておいてもよいでしょう。海外安全ホームページ同様、国や地域から情報を検索できます。

www.forth.go.jp

 

 

アイスランド旅行記はこちらから。

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火山と水の王国アイスランド4/4:グリムル滝とエシャン山ハイキング(世界一周315~318日目)

アイスランド旅行記(1日目~3日目)はこちら

アイスランド旅行記(4日目・5日目)はこちら

アイスランド旅行記(6日目~12日目)はこちら

 

16日に渡るアイスランド旅もいよいよ終盤。13日目から16日目はReykjavik(レイキャビク)周辺を行ったり来たりして、居心地よく価格も良心的なキャンプサイトに宿泊しながら、思い残すことがないよう最後まで自然を満喫しました。

 

アイスランドで2番目に落差が大きい滝、Glymur(グリムル)。崖の奥に控えているため、川を渡り崖を登らないと目にすることができません。

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落ち口付近で引き返すものと思いきや、私たちの先を歩く人々は渓谷のように滝を囲んでいる対岸を戻っている様子。滝の水量が少なく見えたことから、上流は簡単に渡れるものと早合点し意気揚々と向かった私たちの目に飛び込んできた光景がこちら。

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深さもそれなりにある普通の川。目と鼻の先に滝があるため流れも急です。周りの人は靴を脱ぎ、ズボンを膝までまくり上げて川を渡って行きます。私たちは水に濡れることを想定しておらず、タオルすら持っていなかったため躊躇したものの、対岸からの景色を見てみたいと意を決して川へ。水は冷たく、川底に生えた苔で滑りそうになりながらの渡河でした。さらに、景色も期待したような美しいものではなく、山からの雪解け水が流れた跡のような道なき道を通って駐車場に戻ったのでした。

 

Mount Esja(エシャン山)にはいろいろなハイキングコースがあり、私たちはEsjaの頂上から付近の山々の尾根を歩こうと計画していました。ちょうどルピナスが満開を迎え、アイスランドの大地を紫色に彩っています。

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麓にある駐車場の案内板でルートを確認し準備万端で臨んだつもりが、Esjaに登る途中(8合目付近)で急に案内板の内容が変わり混乱。ひとまず目の前に聳える岩山の頂上を目指します。狭い岩場で瓦礫に足を取られて谷底に落ちそうになったり、細い鎖を頼りに岩をよじ登ったり、なかなかスリルのある道中でした。

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自分たちがどこにいるのかよくわからないまま頂上らしき場所に到着。ここから尾根沿いを歩く道が出ているのかと周囲を確認しましたが、奥の方の地面には苔が生え人が足を踏み入れている様子はありません。しばらくしてやってきたレンジャーらしき人に尋ねてみると「ここがEsjaだ」とのこと。先に道もないようなので、来た道を引き返します。

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まったく同じ道を戻るのも気が進まなかったため、山裾をぐるっと周ってみることに。地図のルートとカラーテープで目印が付けられた実際の道を照合しながら歩いていると、地図上では分岐があるはずの場所には目印はなく、あるのは草むらの中についた踏み跡。それでも、駐車場の方角に向かうためには他に選択肢がなく、歩を進めていくと次第に道は細くなり、最終的には身長が160cm以上ある私が埋もれるくらい背の高い花が群生する花畑に突き当たってしまいました。

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地図で方角を確かめながら、獣を追う狩人のように目を皿のようにして人が通ったかすかな痕跡を探して花をかき分けて進むこと30分以上。ようやく元のルートに戻ることができたのでした。花の中に道案内の杭が立っているのを何度か目にしたので、元々はハイキングコースの一部だったのだろうと推測できます。EsjaはReykjavikからアクセスしやすく、それなりに観光客が訪れる場所。最悪の場合、遭難する危険もあるため、ルートを閉鎖する(整備しない)のであれば案内表示を変更すべきだと思います。

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最終日は、Reykjavikの市内観光。首都と言ってもとても小さな街で、これまで見てきた雄大な自然に比べると街中にある観光地は見劣りしてしまいます。柱状節理をモチーフにしているというHallgrimskirkja(ハットルグリムス教会)を訪れた際、隣接する駐車場の空いているスペース(それなりに広い)に車を入れるとき(しかも前向き)に切り返しに失敗し、盛大に隣の車に擦り傷をつけてしまったのは悪夢のような経験でした。相手も旅行者でレンタカーでアイスランドを周っていたそうですが、幸い双方のレンタカー会社から修理費用を請求されることもなく、九死に一生を得たのでした。

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おまけ。アイスランド滞在中に通っていたディスカウントストアとほぼ毎日食していたパスタ。物価の高いアイスランドでは、BonusとNettoというディスカウントストアに頼って生活していました。それでも、スライスチーズが1袋で700円、挽き肉が500gで1,000円超と突き抜けた価格の高さ。パスタや缶詰、調味料等、生鮮食品以外のものをイギリスで大量に購入しておいて正解でした。

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火山と水の王国アイスランド3/4:氷河と滝と、ときどき火山(世界一周308~314日目)

アイスランド旅行記(1日目~3日目)はこちら

アイスランド旅行記(4日目・5日目)はこちら

 

過酷なFimmvorduhals(フィムヴォルズハゥルス)トレッキングを終え、リングロード周遊の旅は続きます。6日目から12日目までは、南側の中間地点(地図のA地点)から東部に点在する漁村を縫って北上し、北側を西に戻っていく行程。

 

南部にはアトラクションがたくさん。内陸には氷河が、海岸沿いにはマグマや溶岩の働きによって形成された柱状節理が見られ、桁違いのスケールの自然に圧倒されます。氷の洞窟等、名前を聞くだけで胸が躍るような場所もあったのですが、トレッキングで車の乗り降りができないほど股関節を負傷してしまった私は諦めざるを得ませんでした。

写真は上から、Jokulsarlon Glacier Lagoon(ヨークルスアゥルロゥン氷河湖)に浮かぶ流氷、Reynisfjara Beach(レイニスフィヤラ海岸)にそびえ立つ柱状節理、自然保護区Skaftafell(スカフタフェットル)内にある珍しい滝、Svartifoss(スヴァルティフォス)。

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車窓からの風景も変化に富み、穏やかな田園風景に続いて一面に広がる溶岩を苔が覆う景色が現れ、ふと目を上げると遠くに氷河が姿を見せる等、長距離移動でも飽きが来ることがありませんでした。

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アイスランド東部は特筆すべき観光スポットはありませんが、ナショナルジオグラフィックに登場するような複雑な色合いの景観を楽しめます。

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北東部の見どころは滝と泥間欠泉。中でも、アイスランドで第2の長さを誇るJokulsa a Fjollum(ヨークルスアゥ・アゥ・フヨットウム)沿いに連なる3つの滝、Selfoss(セルフォス)、Dettifoss(デティフォス)、Hafragilsfoss(ハプラギルスフォス)が印象的。地図を見る限りではこれらの滝は4km以内に位置しており、小一時間で一周できるだろうと高を括っていたのですが、Hafragilsfossへの道のりがやたらと難易度が高く、ロープを伝って河原に突然出現する崖を下り、川岸のぬかるみの中にお情け程度に置かれた飛び石を踏みながらようやく到着。

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滝自体には取り立てて評価するところはないのですが、苦労が大きいほど記憶にも刻まれるようです。

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泥間欠泉のあるNamafjall Geothermal Area(ナウマフィヤットル地熱地帯)は、さながらダリが描く世界のよう。辺り一面にむせかえるような硫黄臭が立ち込め、天に向かって勢いよく蒸気が昇っていく様子は月や火星を彷彿させます。

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また、夫が地図を見ながら案内してくれたViti(ヴィティ)は、ターコイズブルーの水を湛える美しいカルデラ湖でした。Wikipediaによると、湖面は周囲よりも低いため二酸化炭素が溜まりやすく、風のない日に湖面に近付くと意識不明になることもあるとか。恐ろしや、アイスランドの自然。

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リングロードの北側の中間地点(地図のD地点)から西側には魅力的な見どころがあまりなく、移動中の風景も変わり映えしない単調なものでした。初めて運転中に睡魔に襲われ、それでも運転を強行しようとする私に夫がおかんむり。この旅のモットーである安全第一を軽視し身を危険に晒してしまったことを反省しながら、車を道端に寄せて仮眠をとったのが一番の思い出です。

西側のフィヨルドは、「リアス式海岸」からイメージするような景色を楽しみにわざわざ運転距離を増やして(ガソリンの消費を度外視して)車を向けたにも関わらず、陸からは期待していた風景を見ることはできず途中でUターン。

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トレッキングをしようと訪れたKirkjufell Mountain(キルキュフェットル山)は、山高帽のような形状。周囲にはロープが張られ、登っている人が誰もいなかったことからトレッキングは諦め、代わりに目の前にある滝、Kirkjufellfoss(キルキュフェットルフォス)を撮影して引き返しました。他の観光地に比べて混雑していることを不思議に思っていると、Game of Thronesの撮影地になっているとか。

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おまけ。週末、アイスランド人キャンパーの溜まり場になっているキャンプサイトでたまたま一夜を過ごすことになり、アイスランド式の本気のキャンプを垣間見ることができました。縦横に拡張できるキャンピングカーや、巨大なテントで陣取りをし、本格的なバーベキューコンロで肉を焼く人々を横目に、小型の乗用車1台を停めてガスコンロに鍋を乗せて煮炊きする我々。中には、キャンピングカーで風よけをしたスペースにテーブルやイスを並べ、花や人形を飾る強者もいて興味深いものでした。f:id:ahrd:20190925130107j:plain

 

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火山と水の王国アイスランド2/4:過酷なフィムヴォルズハゥルストレッキング(世界一周306・307日目)

アイスランド旅行記(1日目~3日目)はこちら

 

アイスランドのハイライト、Fimmvorduhals(フィムヴォルズハゥルス)コースでのトレッキング。私たちは、Skogafoss(スコゥガフォス:地図のA地点)という滝の上流から出発し、氷河の間を通ってThorsmork(ソゥルスモルク:同B地点)という渓谷までの片道約30kmのルートを2日間で往復しました。

Fimmvorduhalsはアイスランドで1、2を争う人気のトレッキングコースですが、気候条件が厳しいためトレッキングができるのは6月から9月の間に限定されています。私たちは他のヨーロッパ諸国を旅行しながら6月になるのを待ち、満を持してアイスランドに足を踏み入れたのですが、今年は山開きが遅かったのか6月上旬でもコースは閉鎖されていました。宿泊を予定していた山小屋に相談してみると、「すでに数名歩いてきているが、公式には山開き前なので天気予報を確認した上で自己責任で挑戦するように」との回答。

幸いにも、天気予報ではトレッキングを計画していた2日間は快晴の予報。不安を抱きながらも、アイスランドに来たからには大自然の中を歩いてみたいという思いを捨てられず、危険を感じた場合は引き返すと決めて出発しました。

 

写真では切れていますが、右の方に据え付けられているアルミ製の階段でSkogafossの落ち口まで約60m上ります。

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地面の凹凸に合わせて上ったり下ったりしながら上流に向かって川沿いを歩きます。ここでは、川の流れで大地が侵食されて峡谷が形成されていく様子が伺えます。

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8km地点の橋が架かっている辺りから地面に転がる石が大きくなり足元が悪くなります。川沿いを離れるため風景の変化も少なくあまりおもしろくない道のり。

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途中ですれ違った外国人(なぜか裸足)に道の状況を聞くと、「頂上に少し雪が残っているが問題なく歩ける」と言うので安心して歩を進めていましたが、徐々に視界に雪が入るようになり、最終的には一面雪景色。

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それでも裸足の彼の言葉を信じ、この雪原を越えればまた山道になるだろうと意を決して普通のトレッキングシューズのまま雪の中に足を踏み入れる私たち。しかし、自然はそう甘くはなく、いつ終わるかもわからない高低差の激しい雪原の中を延々歩き続けたのでした。今思い返せば、裸足の彼はこの雪で靴が濡れてしまい乾かしながら歩いていたのかもしれません。

 

トレッキング開始から5時間半でようやく山頂に到着。遠くに見えるのが火山の噴火でできたMagni(マグニ)という名のクレーター。慣れない雪道で滑ったり踏ん張ったりしていつもと違う筋肉を使い、この時点で疲労困憊。トレッキングシューズには水が滲み込み最悪の状況です。

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銀世界を抜けたと思ったら、次に現れたのは崖のような急斜面。足元は砂利で、慎重に足を踏み出しても体重をかけると滑るという恐怖の道。その後も、左右が深い谷になっている峰でロッククライミングのような崖下りを経て、ようやく辿り着いた平坦な場所から来た道を振り返って撮影した写真がこちら。白くまだらに雪の残る頂上から下ってきたとは信じられないような険しい道。翌日は同じ道を引き返すことを思うと気が重くなります。

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右手には氷河も見えました。

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この後は雪が再び現れることもなく、景色を楽しみながら川岸へと下りていきます。

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対岸には建物の影も見え、あと少しで到着かと期待しましたが、そう甘くはありません。そもそもこの川岸、川幅は狭いのに岸の部分がとてつもなく広く、砂と小石が混じっているためとにかく歩きにくい。私は疲労と残りのルートの想像がつかない精神的負担で魂が抜けたようになり、道案内を夫に託して黙々と歩くことしかできませんでした。

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10時間弱かけて辿り着いた宿は、シャワーは水が飛散して洗いにくく、ベッドリネンも提供されない等、決して居心地のよい場所ではありませんでしたが、壁と屋根に囲まれた暖かい場所で眠ることができるというだけでとてもありがたいものでした。

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死んだように12時間眠って体力を回復した私たちは、気が進まないながらも来た道を引き返すために翌朝宿を出発。私は股関節の筋肉痛がひどく、筋肉を使って足の上げ下げができない状態だったため、手で太腿を持ち上げながら何とかレンタカーを置いていたSkogafossに戻ったのでした。今までに経験したことのない辛いトレッキングでしたが、アイスランドの容赦ない自然を体感することができ、心身の痛みと共に深く記憶に刻み込まれています。

 

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