ブログには書けなかった赤裸々な日々の手記、アマゾン電子書籍で販売中
「ところで、旅行中は夫婦で喧嘩しなかったの?」
「旅の中で一番よかったのはどこ?逆に行かなくてよかったところは?」
「腹が立つことはなかったの?」
「普段はどんな風に過ごしていたの?」
家族や友人に帰国を報告する際、会話がひと段落したタイミングでよく聞かれたのが上記の質問でした。
このブログは、海外滞在中に家族や友人に近況を伝えることを目的として開設したため、事実を整理して記録することを優先し、賛否両論ありそうな考えや怒りの感情はオブラートで何重にも包んだ上で表現していました。私的な出来事についても9割以上削除し、夫婦で繰り返した喧嘩については言及すらしていません。
しかし、旅の中では文字通り24時間365日夫と寝食を共にし、慣れない環境で意思決定を迫られる日々。私たち夫婦は元々好きなことが似ており、日本でも共に過ごすことが多かったとは言え、違う価値観を持つ人間がずっと一緒に過ごしてもめないわけがありません。2019年2月に長期滞在したアルゼンチンのブエノスアイレスあたりから定期的に諍いが勃発し、3月中旬に訪れたパリでは「すわ、帰国か」と思うような大きな喧嘩を経験しました。
さらに、周りの環境に怒りを覚えることは日常茶飯事。自分の中に生じる、人種差別にもつながり得る負の感情に直面する毎日でした。
もちろん、嬉しいこともたくさんありました。ネパールのカトマンズでは滞在していた宿のオーナーとその奥さんの歓待を受け、ペルーのリマではAirbnbで見つけた家のホストのペルー人と遊び回り、南米のパタゴニア地方では美しい自然に言葉を失い、アイスランドでは車で島を一周しながら荒々しい自然を満喫し…。
そんな生の感情や、私たちの体験をありのままに綴った世界一周日記『人生を遊ぶ』を、この度アマゾン電子書籍で出版しました。
『人生を遊ぶ ~世界一周の旅の記録~』
アジア・オーストラリア編(上)へのリンクはこちら
中南米・ヨーロッパ・アメリカ・日本編(下)へのリンクはこちら
かけがえのない経験を記録しておくため、私的な日記としてノートに小さい文字で書きなぐっていたものを、夫と2か月かけて何とか読むに堪える体裁に編集した書籍です。一緒に笑ったり怒ったりしながら370日間の私たちの旅を追体験していただければ幸いです。
なお、上下巻で合計40万文字超という超大作(?)につき、地図や写真を入れる余裕がありませんでした。各都市での滞在記の概要や写真はブログでご覧いただけるよう、書籍の各節の冒頭にこのブログへのリンクを掲載していますので、“副音声”として楽しんでいただければと思います。
世界一周の持ち物すべて!重宝したものと買い足したもの、不要なものリスト
夫婦で世界30か国を旅する中で役に立ったもの、途中で必要になり買い足したもの、不要だったものを振り返ってみました。持ち物の取捨選択や評価に影響があると思われる私たちの旅のスタイルの特徴は以下の3点です。
- 気候が夏(またはそれに準じる気候)であるときに滞在。防寒グッズは少なめ。
- 日本製品へのこだわりが小さい。荷物を少なくすることを優先し、消耗品は現地調達が基本。
- トレッキングや山歩きはたくさんするが、テント泊はしない(車中泊はあり)。
具体的な持ち物リストは以下の通り。カッコ内に商品名を記載しているアイテムは、旅の中で重宝したおすすめの品です。それぞれのアイテムに対するコメントや評価も記載しましたので、持ち物を用意する際に参考にしていただければ幸いです。
<夫婦で世界を旅した持ち物リスト>
- バッグ編
- 貴重品編
- 衣類・靴編
- 下着(3セット、ユニクロ:エアリズム)
- 靴下(2セット、ダーンタフ)
- 防寒下着(2セット、ユニクロ:ヒートテック)
- 半そでVネック、タンクトップ(2枚、ユニクロ:エアリズム)
- 半そでTシャツ(3~4枚)
- ズボン(2枚、モンベル:コンバーチブルパンツ)
- スウェット上下(1セット)
- スウェットの半ズボン(1枚)
- 雨具兼ウインドブレーカー(1枚、モンベル:ストームクルーザー)
- 薄手のダウンジャケット(1枚)
- 帽子
- ニット帽
- ストール(1枚)
- 水着(1セット)
- トレッキングシューズ(コロンビア:クレッセントピークアウトドライ)
- 高機能サンダル(キーン:ニューポートまたはウィスパー)
- ビーチサンダル
- 圧縮袋(100円均一、イスカ:コンプレッションバッグM)
- ガジェット編
- 日用品・小物編
- アウトドアグッズ編
- 医薬品編
- 持参せずに後悔したもの
- 不要だったもの
バッグ編
バックパック(ドイター:エアコンタクト)
空港やバスへの預け入れ時に手荒く扱われても破れず、バックパックを背負って長距離を歩いても疲れにくいものを探し回りました。最終的に、ドイターのエアコンタクト(夫は65+10リットル、私は女性用の50+10リットルのモデル)を購入し大正解。
腰のベルトがしっかりしていて安定しているため、20キロの荷物を持ち運んだときにも疲れ知らず。肩や腰の痛みもありませんでした。付属している雨除けのカバーが厚手で丈夫なのも安心です。もちろん、本体が破れたりジッパーが破損する気配はありませんでした。日本ではあまり見ませんが、ヨーロッパではシェアNo.1なのか!?というくらいよく目にしました。おすすめです。
deuter エアコンタクト 50+10 SL 17D3320216-5530 バックパック (Lady’s)
- ジャンル: バックパック・リュック
- ショップ: Victoria L-Breath楽天市場支店
- 価格: 33,000円
夫は背負い心地を気に入ったグレゴリーのバルトロ(65リットル)と迷っていましたが、エアコンタクトの方が腰ベルトのつくりがしっかりしていること、値段が安かったことからこちらを選択。
リュックサック
これも丈夫なものを求め、衣類とまとめてモンベルで購入。夫はガレナパック(20リットル)、私はフィルストパック(20リットル)を選びましたが、フィルストパックにはレインカバーが付属していないことが発覚。仕方なく、雨の日は日本から持参したゴミ袋をかけて活動していました。ガレナパックのレインカバーは大雨の日には水が滲み込できたため、撥水効果の高いレインカバーを購入することをおすすめします。
容量は、街歩きや日帰りのトレッキングだけなら20リットルで十分。下着や防寒着、軽食、寝袋を詰めて数泊のトレッキングに出掛けるなら30リットルでもいいと思います(私たちは20リットルのリュックサックに荷物を無理矢理詰め込んでいました)。
ウエストポーチ
貴重品を入れるため、モンベルでクロスランナーポーチ(M)を購入。薄手のポーチであれば何でもいいですが、パスポートとお財布、スマートフォンが入る大きさは必須です。飛行機や夜行バスでの移動時や、手ぶらで外出したいときに重宝しました。Amazonでは薄手のウエストポーチが多数販売されています(リンク)。
貴重品編
パスポート、パスポートのコピー
パスポートを紛失したときや、パスポートを提出したくないときに役立つのがコピー。写真が載っているページと裏ページ(必要事項を記入しておく)をコピーしておくと安心です。
財布
ブランド物のお財布は目立つのでやめましょう。薄手のものの方が持ち運びが楽です。私たちは100円均一で布製の長財布を2つずつ購入(1つは襲われたときに投げるためのダミー財布)。謎のROBIというタグ付きですが、開口が大きいため慣れない国の硬貨も探しやすく使いやすかったです。
現金
日本円と米ドルでそれぞれ2~3万円ずつ現金を持っておくと安心。ATMが近くにないときにも必要なモノやサービスを購入できます。なお、盗難や強盗で全財産を失うことがないよう、現金は分散して収納しておきましょう。
クレジットカード
VISAとMasterを持っていると安心です。1軒ですが、Masterしか使えないお店もありました。JCBは日本人が大挙して押し寄せるハワイなどのリゾート以外は使えないため、紛失や盗難のリスクを回避するために日本に残しておくのが吉。
プライオリティーパス
安い航空券を利用する場合、深夜便だったり乗り継ぎの接続が悪かったりと、空港で長い時間を過ごすことになるケースが多々あります。プライオリティパスを持っていれば空港のラウンジを利用できるため、雑踏の中、ベンチを探して空港内を彷徨い歩くことがなくなります。軽食をとったりシャワー浴びることができる場合も。
楽天プレミアムカードは、年会費1万円でプライオリティパスがついてくる優れものです。VISAカードは持っている方も多いと思われるため、プライオリティパス付のMasterカードを契約し、帰国と共に即解約するのがおすすめです。
なお、プライオリティパスでラウンジを無料で利用できるのは1枚につき1人まで。受け付けの人は何も言いませんが、2人目以降は3,000円+税が容赦なく課金されるのでご注意を。
キャッシュカード(住信SBIネット銀行)
住信SBIネット銀行に口座を開設しておくのがおすすめ。ドル建てで預金をしておくと、米ドルを引き出す場合は手数料がかかりません。
スマートフォン
各地でSIMカードを利用するために、出国前にSIM解除をしておくこと。また、アプリのインストールと各種認証を済ませておくとすぐに使えます。
捨てる用のスマートフォン
過去に使用していたスマートフォンを街歩き用のカバンに入れておくと、強盗に襲われた際に捨ててダッシュで逃げることができます。
予防接種の証明書(イエローカード含む)
ブラジルやアフリカ諸国への入国に必要なイエローカード(黄熱病の接種証明書)の他、海外で体調を崩して病院を受診するときに予防接種の記録を提示すると適切な処置を受けられる確率が上がります。
ネパールで犬に襲われ狂犬病予防の処置を受けた際(こちらの記事)も、日本で受けた予防接種の記録を提示することでスムーズにアフターショットを打ってもらうことができました。
海外旅行の保険証券、保険証券のコピー
病気や事故など、不測の事態に備えて保険証券のコピーを肌身離さず持っておくことをおすすめします。インドで入院した際(こちらの記事)、保険証券の原本を提出して回収し忘れてしまい、日本の保険会社に再発行を依頼する羽目になりました。コピーがあれば原本を紛失した際にも安心です。
海外旅行保険は複数の保険会社で取り扱いがありますが、私たちが加入していた東京海上は、体調を崩したときも盗難にあったときもサポートが迅速で適切、かつきちんと補償され安心感がありました。一方、損保ジャパンの保険に加入していた方は、強盗に遭い身ぐるみはがされたにも関わらず、ポリスレポートで保険金の申請をしたところ却下されたとのこと。
世界一周者に有名な損保ジャパンの保険に高いけれども加入した。
— 増井公祐@東大発バイオベンチャーのCEO (@KosukeMasui) 2019年12月13日
運悪く強盗に会い、殺されかける思いをし、荷物も全部とられた。
ポリスレポートをもらって帰ってきて、保険を申請したが、「強盗が証明できないので払えません」の一択で聞く耳を持たなかった。
二度と使わないと心に誓った。 pic.twitter.com/dqMt3q9Gfk
衣類・靴編
下着(3セット、ユニクロ:エアリズム)
高温多湿の環境でもすぐに乾くユニクロのエアリズムがおすすめ。夫はパンツ、私はパンツとブラジャーを購入しました。エアリズムはデザインも水着のようなので、ドミトリーでも気兼ねなく干すことができました。
靴下(2セット、ダーンタフ)
アウトドア用品店ですすめられたタフ靴下。厚手なので乾きにくいものの、丈夫さはピカイチ。クッション性もあり、30キロほど歩いても靴擦れができたり足が痛くなったりしない優れもの。ラインナップが複数あるため、迷ったらアウトドア用品店で相談するのがいいと思います。
ダーンタフ メンズ マイクロクルークッション Darn Tough Men’s Micro Crew Cushion ソックス 靴下 くつ下<2019 秋冬>
- ジャンル: スポーツ・アウトドア > アウトドア > 登山・トレッキング > ウエア > 靴下
- ショップ: OutdoorStyle サンデーマウンテン
- 価格: 2,750円
防寒下着(2セット、ユニクロ:ヒートテック)
高山地帯や初春のヨーロッパなど、寒い場所で活躍。私たちは3セット持って行きましたが、長袖(または8分袖)を上下2セット持っていれば十分だと思います。
半そでVネック、タンクトップ(2枚、ユニクロ:エアリズム)
夫はエアリズムの半そでVネック、私はエアリズムのタンクトップを購入。蒸し暑いときや、Tシャツの洗濯が追い付かないときに着用していました。私たちは3枚持参しましたが、2枚で間に合います。
半そでTシャツ(3~4枚)
消耗品と考え、惜しみなく捨てられるものを持って行きましょう。手洗いしながら着回していると、日本では目にしたことがないほどヨレヨレになります。他の衣類と組み合わせやすい色、デザインのものを持って行くのがいいと思いますが、サファリで白いTシャツを着用していると動物が襲ってくるとしてガイドに怒られます。白はだんだん汚れが落ちなくなり、黒は色あせてくるのでグレーが無難かも。
欲を言えば、普段着用に綿のTシャツを、野外活動時など汗をたくさんかくとき用にポリエステルのTシャツを2枚ずつ持っていると安心です(私は綿素材が好きなので、常に綿のTシャツを着用していましたが)。
ズボン(2枚、モンベル:コンバーチブルパンツ)
ひざ部分で切り離せるタイプのズボンは気候への適応が容易で、荷物を減らせるためおすすめです。私たちはモンベルのコンバーチブルパンツを購入しファンになりました。すぐに乾くのも◎。
スウェット上下(1セット)
防寒着兼寒い地域での寝間着として活用。私たちはユニクロで長そでパーカーと長ズボンを購入しました。
スウェットの半ズボン(1枚)
暑い地域での寝間着として活用。荷物を減らしたい場合はコンバーチブルパンツで代用可能です。
雨具兼ウインドブレーカー(1枚、モンベル:ストームクルーザー)
最強の雨具。大した手入れもせず1年間着用していましたが、きちんと雨をはじく優れもの。アウトドア用品店のスタッフ曰く、モンベルのゴアテックス製品のコストパフォーマンスはかなり高いようです。必須の1枚。
薄手のダウンジャケット(1枚)
日の出前や日没後のアウトドア活動や、高山地帯、飛行機内での防寒着として1枚あると重宝します。冬場に活動するのでない限り、ユニクロのウルトラライトダウンで十分。
帽子
モンベルのゴアテックス素材の帽子を購入しましたが、途中から防水性能が下がりました。小雨だと帽子は不要だし、大雨なら雨具を使用することを考えると、帽子に防水機能は不要だと思います。
キャップタイプはファッション性は高いものの首の後ろ側が日焼けします。機能を重視するなら全方位につばがある帽子一択。旅行中、外国人のおじさんが↓のような一部がメッシュになっているハット+サングラスという出で立ちでクールでした。
ニット帽
防寒のために購入。出番は少なかったものの、高山地帯の早朝や夜は震えるほど寒いので持っていてよかったアイテムです。
ストール(1枚)
ネパールやインドで空気が悪いときに鼻や口を覆ったり、日差しが強いときに肌を隠すのに活用。現地の露店でも買えますが、日本の方が安くて良質なものを調達できると思います。
水着(1セット)
水遊び以外にも、洗濯が追い付かないときに下着の代用品として活躍しました。
トレッキングシューズ(コロンビア:クレッセントピークアウトドライ)
トレッキング時やサンダルでは寒い地域で着用。クレッセントピークアウトドライは軽くて防水性能が高く、コストパフォーマンスの高いトレッキングシューズでした。
高機能サンダル(キーン:ニューポートまたはウィスパー)
移動や街歩きなど、日常用の靴として購入。夫はキーンのニューポート、私はウィスパーを選びました。
他のブログではウィスパーは話題に上がっていませんが、つま先まで覆われているため動きやすいのと、生地が薄いため乾きやすい=臭くならない(最重要)という点でおすすめです。ニューポートに比べて靴底が薄く多少滑りやすかったり、サイドのゴムの部分が弱いのか糸のほつれが見られましたが、1年間履いている分には全く問題なく活躍してくれました。川の中もガンガン歩けます。
靴は選ぶのにとても時間がかかったアイテムのひとつ。選定の経緯や評価については別のブログにまとめていますので、よろしければご参照ください。
ビーチサンダル
ドミトリールームやキャンプサイトに宿泊する際に必須。私たちはキーンのサンダルで代用しようと日本から持参しませんでしたが、一晩干しておいても乾かなかったためネパールでペラッペラのビーチサンダルを購入しました。日本から持って行かれることを強くおすすめします。
圧縮袋(100円均一、イスカ:コンプレッションバッグM)
衣類や寝袋などかさばるものを小さくまとめるのに便利。100円均一で売っている空気穴のあるタイプの圧縮袋は、予備を含めて4枚購入しておくことをおすすめします。
イスカのコンプレッションバッグは、原理はアナログながら本当に小さくなるので、荷物が多い人には役立つと思います。特にMサイズは人気が高いようで品切れも多く、私たちは1枚だけ購入して夫が寝袋やダウンジャケットなどの圧縮に利用していました。本当に小さくなります(2回目)。
ガジェット編
パソコン
写真データをポータブルHDDに移行したり、パソコンでしか正常に機能しない海外の航空会社(Avianca、LATAM)のウェブサイトから航空券を購入する際に使用しました。性能よりも大きさと重さを重視し、ASUSの11.6インチのノートパソコンを購入しました。
GoPro、予備のバッテリー、バッテリーチャージャー
ミラーレス一眼カメラと悩みましたが、水中で撮影するためにGoProを購入。画角が広く、ウルルやフィッツロイ、セリャラントスフォスの滝など、スマートフォンでは収めるのが難しい景色も難なく記録できます。
すぐに電池がなくなるため、予備のバッテリーと、複数のバッテリーを一度に充電できるバッテリーチャージャーも購入するのがおすすめです。
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- 発売日: 2016/10/03
- メディア: エレクトロニクス
急速充電ポート(アンカー:パワーポート4)
現代の旅人には必須のアイテム。コンセントが1つしかない場所でも、パワーポート4があれば同時に4台充電できます。しかも急速充電。
延長コード
100円均一で2mの延長コードを購入。設計ミスかと思うような場所にコンセントがある宿が多いので出番は無数にありました。上記の急速充電ポートと併用する場合、延長コードのコンセントの差し込み口は1つ、または2つで十分です。
モバイルバッテリー(アンカー:パワーコアII 10000)
夜行バスでの移動時や、車中泊で充電がままならないときに活躍。いろいろな評価を見た上で購入したアンカーのパワーコアII 10000に加え、自宅にあったモバイルバッテリーを総動員しましたが、スマートフォンをカーナビ代わりに利用し、5日連続で車中泊を続けたときにはバッテリーが切れそうになりました。
ポータブルHDD(トランセンド:ポータブルHDD耐衝撃)
撮影した画像や動画データの保存に活用。大切な写真データが飛ぶという悲劇を避けるため、衝撃に強いという宣伝を信じて購入しました。私たちは2台購入しましたが、スマートフォンを中心に写真を撮っていたこともあり1台で十分でした。
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変換プラグ(カシムラ:サスケ)
ガンダムのように組み替えて使う、全世界で対応可能なプラグです。これまでチマチマと旅行先に合わせた変換プラグを購入していたのが悔やまれる逸品。サスケがひとつあればどんな形状のコンセントにも対応できます。
キンドルペーパーホワイト(アマゾン)
格安旅行をしていると待ち時間が長いので、どこでも本を買って読むことができるキンドルに何度も救われました。
USBメモリ(2個)
信じられないことに、オンラインで購入したeチケットを印刷して提示しなければならない場面が多々ありました。eチケット(PDF)をUSBに保存しておくと、どこの印刷屋さんでもスムーズにプリントアウトしてもらうことができるため、地味に重宝します。USBメモリが正常に作動しなくなる可能性に鑑み、2個持っていると安心です。
時計(カシオ:F-105W-1A)
壊れたり盗まれたりしても時計として購入。あとから調べてみると、「チープカシオ」と呼ばれ、一部に根強いファンがいるよう。1,000円とは思えないタフさで、落としてもぶつけても雨に濡れてもへっちゃら。極めつけはライト。暗いところでも時刻を確認できます。腕時計で時刻を確認する文化をもつ人には全力でおすすめしたいアイテム。
ガジェットケース
衝撃を吸収してくれそうなケースをAmazonで探して、こんな感じの3点セットで内側の仕切りを自由に移動できるものを購入しました。
日用品・小物編
洗濯ロープ、洗濯ばさみ
100円均一で十分。ロープは2m程度のものを購入すれば、ドミトリールームやキャンプでも洗濯物を乾かすことができます。
洗濯用バケツ(LOGOS:FDバケツ)
衣類を手洗いするときに必須のアイテム。洗濯物が多いときには複数回に分けて洗っていましたが、このバケツに衣類と水を入れ、洗剤を投入して押し洗いすれば簡単に洗濯ができます。
炊事場のないアメリカのキャンプ場では、このバケツを使って共用の水道で水を汲み、自分たちのサイトで調理や食器の洗浄をしていました。折りたためるので持ち運びにも〇。
洗濯用洗剤
水に溶けやすく、泡切れのいいものを持参すると洗濯が楽です。空のペットボトル(500ml)に移し替えて持って行けばバックパック内で袋が破損する心配もありません。
爪切り、耳かき、手鏡、リップクリーム、目薬、電動ひげそり、毛抜き
どんなときでも最低限身だしなみを整えるために。
日焼け止め
日本の日焼け止めは白くならず、性能も高いのでたくさん持って行きました。オーストラリアとチリで買い足しましたが、チリの日焼け止めはサンオイル(火傷にならない程度にきれいに日焼けができる)のようで、日焼け止めを塗りたくっているのに日に日に焼けていくという謎の現象に悩まされました。
歯ブラシ(予備も)、歯磨き粉、歯ブラシ用のキャップ
虫歯は旅行保険の適用外のため、旅行用の小さい歯ブラシではなく、日常的に使用している大きさのものでちゃんと歯を磨きましょう。ケースに入れるよりも、歯ブラシにキャップをつける方がかさばりません。
海外の歯ブラシは総じてサイズが大きく磨きにくいため、日本で替えの歯ブラシまで調達していくのがおすすめです。
石鹸
消耗品の中で石鹸だけは日本製のものが突出して優れており、たくさん持って行ってよかったと感じていました。泡立ちのよさ、泡の耐久力、洗浄力、どれをとってもナンバーワン。
トイレットペーパー
トイレの文化が全く異なるアジア諸国では、トイレットペーパーを常に持ち歩いていないとトイレから出られなくなる危険があります。日本から数ロール分のトイレットペーパーをバックパックに詰め、滞在先で余ったトイレットペーパーも荷物に加えることでトイレットペーパーを補給していました(オーストラリアへの入国時、税関の職員に尋問された際(こちらの記事)には、バックパックにたくさんのトイレットペーパーが入っていることを不審がられました)。
ウエットティッシュ
新興国や野外での活動時に、食事の前にウエットティッシュを使う機会が多々ありました。
身体を洗うタオル
毎日入浴していても、石鹸を手につけて身体をなでるだけでは垢は落ちません。仕方なく、オーストラリアのダイソーでポリエステルの身体洗いタオルを約200円で購入しました。
ダイアルロック式南京錠(3個、内1個はTSAロック)
1人3つずつ持参。飛行機への預け入れ荷物にも使えるよう、ひとつはTSAロックにしました。私は南米で立て続けに紛失し、途中で購入しようとしましたが、日本に比べて価格が高く断念しました。
個人的には鍵をなくす心配のないダイアルロック式のものが使いやすいと思います。一方、ワイヤー式の南京錠は切られやすい反面、どのような形状のものにも鍵をかけることができる柔軟性があるため1つ持っておいてもいいかもしれません。
ビニール袋(大、小)
汚れた衣類や靴を入れるために、スーパーの袋程度の大きさのビニール袋と、45Lのゴミ袋が数枚ずつあると便利です。
ジップロック
小物をまとめてしまっておくことができるので重宝しました。
使い捨てコンタクト
日差しが強いときや海でのアクティビティーのときには、サングラスやゴーグルを併用できるコンタクト必須。夫は機動力があり手入れ不要な眼鏡だけで過ごすつもりでコンタクトを持って行きませんでしたが、ダイビングや汗をたくさんかくトレッキングの際には不便そうでした。
サングラス
出国前日に実家の車を運転していたときに車内にサングラスを置き、そのまま日本を出てきてしまったため、ネパールで偽物のレイバンを購入。すでに持っているものを購入するのも癪に障るので我慢しようかとも思いましたが、アジアの強い日差しに耐え切れませんでした。
アイマスク
ドミトリールームの滞在や車中泊、夜間の移動時に熟睡するために必須。特に車中泊を始めてからは、周囲の人の目を気にせずに自分たちのペースで寝起きできるので重宝しました。
マスク
ネパールやインドの排気ガスや土埃がひどい国着用。途中でストールを活用することにしたため、その後は出番はありませんでした。かさばるものでもないため、自宅にあるのであれば数枚バックパックに入れておいてもいいと思います。
ネックピロー
荷物になるため日本に置いて行きましたが、飛行機だけでなく夜行バスでの移動時にも役に立つため持って来ればよかったと後悔しました。私たちはアイスランドでの車中泊を前にAmazonで購入しましたが、粗悪品をつかんでしまい東京に到着した途端に捨てました。
S字フック
突起がない場所に何かを吊り下げたり、洗濯ロープをひっかけたりとふとした時に役に立ちました。私たちは2個ずつ購入しましたが、1個あれば十分だと思います。
プラスチック製のスプーン、フォーク
コンビニなどでもらって余ったものを取っておき、バックパックに入れておくと思わぬところで活躍します。例えば、食パンに塗るジャムをすくったり、ヨーグルトを食べたり、粉末のスープをお湯で溶いたり…等々。
筆記用具(特にボールペン)、メモ帳
飛行機内で入国審査の書類を記入したり、宿のオーナーの言うことが信用できず念書をとったり、旅先で出会った人の連絡先を聞いたりする際に筆記用具とメモ帳を持っていると便利です。
ガムテープ
バッグの雨除けカバーや、衣類の圧縮袋が破れたときの補修などに使用。布製がおすすめです。
アウトドアグッズ編
速乾タオル(The Friendly Swede:マイクロファイバータオル)
ドミトリールームにはタオルが付いていないことが多く、また車中泊ではキャンプ場のシャワーを使うためタオルの持参が必須です。このマイクロファイバータオルは、旅行前にいろいろなブログを読み漁った夫が見付けたものですが、身体を拭くのにもちょうどよい大きさで、価格も2枚で2,000円程度と手ごろ。入浴後や洗濯後もすぐに乾く優れものです。
汗拭き用タオル
トレッキング時などに使用。手ぬぐいは薄くてすぐに乾きます。
折り畳み傘
モンベルのロングテイルトレッキングアンブレラを購入したのですが、荷物を覆うよう後ろが長くなっている分畳みにくく失敗でした。傘自体は軽くて強風に煽られ壊れることもなかったので、普通のトレッキングアンブレラか、炎天下でも使える晴雨兼用のサンブロックアンブレラにすればよかったです。
寝袋(モンベル:ダウンハガー800 #3)、寝袋用シーツ
寝袋は、モンベルのダウンハガー800 #3を購入。色はいまいちですが、とても暖かく、気持ちよく眠れるようよく考えて設計された寝袋で快適でした。身長180センチの夫は、ダウンハガー800 #3のロングでちょうどよいサイズ感だったようです。
インドではベッドにダニがいる疑いがあったときにベッドに敷き、車中泊では寝具として大活躍。ただし、シーツを持っていなかったため買い足しました。テント泊や車中泊の予定がある方は、日本でシーツも購入していかれることをおすすめします。
ヘッドライト、替えの電池
宿に電気が引かれていない辺鄙な場所やキャンプ場に宿泊するとき、日の出前からトレッキングをするときにあると便利。帰国後には防災グッズに転用できるため、購入して損はないと思います。替えの電池もお忘れなく。
マルチツール(ヴィクトリノックス:クライマー)
ハサミが組み込まれているため購入したクライマーですが、旅行早々に盗まれてしまい、勤めていた会社を退職するときに餞別としてもらったマルチツールを使用していました。主に、野外調理の際に缶切りを使用。マルチツールのナイフ(大)を使って果物を剥いたり切ったりする猛者もいました。
ナイフ(貝印:コンパクトナイフ)
これも退職時に同期から餞別としてもらったもの。キッチン付きの宿でも包丁が錆びていることが多かったため、自炊するときに重宝しました。
軍手
寒いときには手袋として、トレッキングのときにはケガ防止のために何かと出番があったのが軍手。見た目は不格好ですが、着用すると大和魂を感じられるアイテム。
野外調理セット一式
アイスランドにて、節約のためにキャンプ場で車中泊をすることを決め、野外調理で必要な最小限のものを想定して購入した品々です。
- バーナー(SOTO:アミカスシングルバーナー):軽くて火力があるバーナー
- クッカーセット:これと似たようなものを購入しましたが、2人分としては小さく、調理しにくかったです。
- カトラリーセット:フォーク、スプーン、ナイフを購入。ナイフの出番はありませんでした。
- まな板:ノートパソコンサイズのものがおすすめ。現地で調達しようとしても小さいサイズのものはなかなか見つからず、探すのに苦労しました。
- ガスボンベ:機内に持ち込めないため、現地で調達しました。
医薬品編
葛根湯
旅行初期は慣れない環境で体調を崩すことが多く、普段ほぼ飲まなかった葛根湯を大量に消費しました。
虫刺され薬(キンカン)
海外ではあまり見なかった虫刺され薬。キンカンを持って行ったのですが、インド滞在中に蒸発を疑うようなスピードで減り続けてあっという間に空になり、現地調達もできずにつらい思いをしました。
酔い止め(エスエス製薬:アネロン ニスキャップ)
乗り物酔しやすい私に、エスエス製薬出身の元同僚が、前職で唯一すすめられる薬として紹介してくれました。事前に服用していたときには乗り物酔いしませんでしたが、気持ち悪くなってきたときに服用しても効果はありませんでした(個人の感想です)。
オロナイン
切り傷などにも効くようなので、ひとつ持っておくと安心です。
- ジャンル: 医薬品・コンタクト・介護 > 医薬品 > キズ薬・消毒薬 > 第二類医薬品
- ショップ: サンドラッグe-shop
- 価格: 508円
高山病予防薬
日本にも『ダイアモックス』という処方薬がありますが、ネパールでは同じ成分の薬をより安価に購入できるという記載を目にしてカトマンズで購入(記事はこちら)。南米でマチュピチュを訪れる前に服用し、高山病にかかることなく観光を楽しんできました。
体温計
体調が悪いときに、自分の現状を把握するために使用していました。必須ではありませんが、自宅にあるなら持参するのがいいと思います。
絆創膏、マキロン
ケガをしたときの応急処置に。
持参せずに後悔したもの
薄手の長そで襟付きシャツ
灼熱の太陽の下で活動するときや、友人と会うなど少し装いを正したいときに「あのシャツを持ってくればよかった」と度々後悔しました。何度も現地で購入しようとしましたが、着用している人はたくさん見かけるのに店頭では販売していないという摩訶不思議なことがあり結局購入できませんでした。
風邪薬
日本では本格的に体調が悪くなると内科に足を運んでいたため使用状況を想像できず、葛根湯しか持参しませんでした。整腸薬よりも断然必要なのは風邪薬。ジキナ(顆粒)がおすすめですが、飲み慣れた薬が一番です。
不要だったもの
カラビナ
種々のブログで「役に立つ上に、現地の人に欲しがられるアイテム」として紹介されているカラビナですが、登場機会は一度もありませんでした。旅行中、カラビナを使って靴や寝袋をバックパックに外付けしている人は目にしましたが…。
フック付きの洗面用具入れ
Airbnbで安く個室に宿泊していたので極端に出番が少なかったもの。ドミトリールームでは、ベッドの縁にS字フックを使って洗面用具入れを吊り下げて歯ブラシなどを収納していましたが、なくても困らないレベル。
胃腸薬、下痢止め
新興国ではお腹を壊すことがあるかもしれないと大量に購入しましたが、一度も使いませんでした。生水を飲まない、生ものを食べないなどの予防の方が大切です。
耳栓
わざわざ100円均一で購入しましたが、耳栓をつけると耳が痛くなるのと、うるさい人は耳栓をしても聞こえてくる声量で騒ぐため活躍する場面はありませんでした。
カメラ
今やスマートフォンのカメラも十分画像がよいため、普段はスマートフォン、きれいな風景を見に行くときにはGoProを活用。カメラの出番はありませんでした。
アルミシート
防寒用に購入したものの、使用場面が全くありませんでした。唯一、インドのゲストハウスでダニの存在が疑われたベッドに敷いて寝たところ、今度は灼熱地獄により寝付けず、散々な目に遭いました。6月上旬に訪れ、車中泊をしながら旅行したアイスランドでも不要でした。
扇子
高温多湿の環境でリュックに入れっぱなしにしてあった夫の扇子はカビてしまいお陀仏に…。
虫除けリング(キンチョー:香リング)
両手両足につけていても全く効果がなく、ただ臭いだけ。インドで開封して効果がなく、日本の蚊にしか威力を発揮しないのかと日本でもつけてみましたが、やはり意味なし。未だに販売されているのが不思議です。
ハエ除けネット(かぶるタイプ)
ウルルやカタジュタではハエが群がってきて観光どころではないという記事を目にし、エアーズロックリゾートのスーパーで購入。1日だけ着用したものの、目の前のネットにハエが止まるとかなり気持ち悪いため、2日目以降は無用の長物と化してしまいました。
化粧品
先進国の都市ではきちんと化粧をして過ごす予定でしたが、出国後、数日で眉毛すら描かなくなったので不用品になりました。
おしゃれ着
化粧品同様の理由。ワンピースや、水着の上に着用するパレオを持参したものの、洗濯が面倒なためバックパックの奥深くに眠ることになりました。
世界一周を計画している女性に向けて、安全と身だしなみの観点から必須の持ち物をまとめてみました。
旅行中につけていた日記を書籍化しました。情報を取捨選択してまとめたブログに対して、リアルな旅の日常を楽しんでいただけると思います。
日帰りで堪能するトーレスデルパイネ国立公園2/2:グレイ氷河編(世界一周195日目)
Torres del Paine(トーレス・デル・パイネ=パイネの塔)へのトレッキングの翌日は、Grey Glacier(グレイ氷河)へ。日帰りで訪れるのは難しいというブログ記事も目にしましたが、Torres del Paineに比べると高低差が少ないため、それなりにアップダウンがある道を時速4キロで歩ければ十分アクセス可能です。
前日同様、Puerto Natales(プエルト・ナタレス)の街からバスに乗り、レンジャー事務所(地図のB地点)を通過してPudeto(プデト:同C地点)でバスを降ります。
Pudetoからフェリーに乗り換え、トレッキングの視点となるPaine Grande(パイネ・グランデ:同湖の西側の地点)へ。バスの運行スケジュールからフェリーの繁忙時間帯を予測できそうなものですが、なぜかここで1時間以上の待機を余儀なくされました。
また、フェリーポートには簡易な桟橋が設けられているだけで、乗船券の購入場所や乗船方法に関する案内があるわけでもなし。次第に乗客は増え続け、結局100名近くがフェリーを待っている状態に。一方、到着したフェリーは思いの外小型。私たちは万一の場合に備えて先頭の方に何となく列をつくっていたからよかったものの、フェリーの到着までのんびり過ごしていた人々は乗船できるか気が気でなかったものと思われます。
フェリーの乗船時間は約30分間。距離にして11kmですが、価格は往復で30,000CLP(4,000円超:2019年2月時点)。これは乗船後に船内の入り口付近にあるカウンターのような場所で支払い、引き換えにチケットを入手します。
すでに入園料やバスの運賃を支払っているのですが、取れるところからは容赦なく取ってやろうという思想のようです。高額な料金を支払っているにも関わらず運営は効率が悪く、Torres del Paine National Park(トーレスデルパイネ国立公園)への好感度は低下の一途を辿ります。
実際、この日は6時に滞在していた家を出発し、トレッキングを開始できたのは11時半過ぎ。一方、フェリーの最終出航時刻は18時半。このエリアの最大の見どころであるGrey Glacierへは12kmの距離があるため、日帰りで訪れる場合には起伏のある往復24kmの道のりを7時間で駆け抜けなければなりません。バスの出発時刻が前倒しになったり(現在は6時45分が始発)バスとフェリーの接続が改善されたら、時間に余裕をもって観光できるのにと残念な気持ちでいっぱいです。
Torres del Paineへの不平不満を散々述べてきましたが、ここからは実際のトレッキングの様子です。フェリーを降りた後は、湖を背にして山へ向かって歩を進めます。
湖畔の平坦な場所を抜けると、徐々に道の勾配が強くなっていきます。途中、瓦礫で踏み跡が判別しにくい場所もありますが、マーカーを頼りに北西に向かって進みます。
山の裾に沿って約3km進むと左手にLaguna los Patos(ラグーナ・ロス・パトス=アヒルの池)が広がります。
この池の北東を回ると、目の前にLago Grey(ラゴ・グレイ=グレイ湖)が姿を現します。よく見ると湖には流氷も浮かんでおり、氷河が近いことを予感させます。
そしていよいよ氷河を遠めに見晴らすことができるビューポイントに到着です。フェリーが到着した湖畔から6km、氷河を間近に望めるビューポイントまでのちょうど中間に位置しています。この日はとても風が強く、湖にせり出した岩の上から写真を撮ろうとすると、風に煽られて吹き飛ばされそうになりました。
時刻は13時半。当初の計画では、ここで引き返そうと考えていたものの、ここまでの速度から逆算すると少しペースを上げれば最後のビューポイントに辿り着ける希望が見えてきました。私自身の体力に不安を持ちながらも、行けるところまで行ってみようと前に進みます。
ところどころで山の上にある氷河や、ごうごうと音を立てながら山から流れ落ちる滝を写真に収めながらも、基本的には脇目も振らず、風に背中を押してもらいながらゴールを目指します。
そして、15時前にようやくビューポイントに到着。岩山から氷河を望みます。
私はすでに虫の息。岩山に登る体力も気力もなく、湖畔に留まって流れ着いた流氷や氷河を眺めます。
せっかく辿り着いた氷河にも長居はできず、5分でUターン。帰路は来た道を小走りで駆け抜けます。私は自分の荷物を夫に持ってもらい、心の中で一歩ずつ数えながら無心で足を動かして何とかついていく始末。それでも2時間半で6kmを駆け抜け、17時過ぎにフェリー乗り場に到着したのでした。
湖畔には、1時間以上先のフェリーを待つ人ですでに長蛇の列が。
私たちの後にもどんどん列は伸び、明らかに行きよりも多くの人がフェリーの到着を待っていました。案の定、出発時刻ぎりぎりになってのんびりと現れた最終のフェリーには収まりきらず、急遽もう1便追加されることに。と言っても、この湖では1台のフェリーでピストン輸送しているため、最終便の往復を待ち、戻ってきた船に乗ることになるわけです。私たちもあわや乗船できないかと肝を冷やしましたが、最後に追加で乗船を許された10名に入ることができ、19時半近くに対岸に辿り着くことができたのでした。
ほっと一息ついたのも束の間、フェリーを降りてバスに乗り込むと、フェリーの最終便に乗れなかった予約客を待つの待たないのと各バス会社のドライバーが頭を寄せ合って相談を始めます。最終的には運行会社の垣根を越え、今いる乗客を寄せて先に輸送するという結論に達するのですが、うまく計算が合わなかったようで何度かバスを乗り換えさせられ、その度に預け入れ荷物の出し入れをするのでどんどん時間が経過していきます。さらに、座席数の関係から先発組に入れなかった人々は、最終便を逃した組を待つことになった模様。トレッキングよりも効率の悪さに対して腹が立ち、どっと疲れた1日でした。
パタゴニアではいろいろなコースを歩きましたが、Torres del Paineは天候の悪さを除いても費用対効果が低すぎるため、無理に「W」コースに挑戦しなくてよかったという結論に達しました。これにて3週間かけて5都市を回ったパタゴニアの旅は終了です。
英語が通じる場所が少ない南米で役に立つアプリやウェブサイトをまとめました。
パタゴニアの見どころやアクセス方法をまとめた記事はこちら。日本からは行きにくい場所なので、余すところなく満喫するのが吉。
パタゴニアでは美しい自然に感動する傍ら、滞在費を節約するためにAirbnbで宿を手配したり、スーパーを探して自炊したりという日々を送っていました。また、Torres del Paine国立公園の運営以外にも、ことあるごとに腹を立てながら過ごしていた私たちの旅をご笑覧ください。
Puerto Natalesでパタゴニア周遊を終えたあとは、アルゼンチンのBuenos Aires(ブエノスアイレス)で観光しました。
青森での自然散策とねぶた鑑賞2/2:青森ねぶた・弘前ねぷた・五所川原立佞武多(世界一周361~369日目)
青森旅の前編はこちら
後編は3大ねぶた祭りの鑑賞記です。
奥入瀬渓流と白神山地の間に位置する弘前(地図のD地点)でねぷた祭りを見た後、たまたま立ち寄った弘前の美容院で教えてもらった五所川原(同F地点)に寄って立佞武多を楽しみ、本丸の青森(同H地点)のねぶたと花火大会を見物して東京に戻ってきました。
弘前ねぷたの山車は扇形が主流。前後に歴史書や神話の一場面が描かれており華やかです。弘前に駐屯している陸上自衛隊も参加し剣舞を披露していました。1時間半滞在して15組程度が練り歩く様を見学しましたが、参加人数や活気の多寡はあれ、隊列の構成や掛け声、パフォーマンスは似たようなもので淡々と運行している印象です(それこそがねぷたの文化なのかもしれませんが)。
運行開始を待つあいだに弘前城へも足を延ばしました。JR東日本のポスターの写真に惹かれ、桜の季節に訪れたいと思っていましたが、何はともあれ生きているうちに敷地に足を踏み入れることができ満足です。
この日は弘前市の中心部から約10km南下したところにある道の駅ひろさきで車中泊。向かいには23時まで営業している花の湯という温泉もあり、利便性が高いためか人気があるようで、22時過ぎに到着したときにはほぼ満車。その後も次々と車が入ってきていました。
ところで、青森での車中泊はとても辛いものでした。これまで車中泊をしてきた北海道やアイスランド、アメリカは、日中は気温が高くても夜になると気温が下がり、寝袋が必要になるほど。ところが、青森は夜になっても暑いまま。一方で、外には無数の蚊が浮遊しているため窓を開けられず、暑さで熟睡できずに地獄のような日々を過ごしていました。初めて青森で車中泊をした時には蚊の存在に気付かず、窓を開けて眠りについたところ、就寝1時間後に蚊の羽音で目が覚め、スマートフォンのライトだけを頼りに10匹以上の蚊を捕獲。二度と車中泊の類(テント泊含む)はしまいと心に誓った出来事でした。
五所川原の立佞武多祭りは、たまたま立ち寄った弘前の美容院で小耳に挟んで知りました。ちょうど白神山地の滞在期間を短縮し、時間つぶしを探していたこともあり見物してみることに。
ねぷたに比べると運行台数は少ないものの、賑やかなお囃子に続いて見上げるほどの巨大な山車が狭い道路を練り歩く様子はかなりの見応え。特に、高さ23cm、重さ19トンにも及ぶという大型の立佞武多は迫力満点。地元に密着したお祭りのようで、見物人の活気も感じられとても楽しい夜になりました。写真は2つの大型立佞武多。写真上は昨年公開された神武天皇、下は今年新作のちょっと不気味なかぐや姫。
この日は、お祭りに参加する人のために駐車場を無料開放しているショッピングセンターの駐車場で車中泊。ここにも隣接してスーパー銭湯があり、節約旅行者に優しい宿泊スポットです。
最後は青森のねぶた祭り。旅程上、最終日の昼間運行(夜の運行よりも規模が小さい)を見物しました。ライトアップした幻想的なねぶたは見られませんでしたが、派手な山車が街中を練り歩く様子や、跳人(はねと)が威勢のよい掛け声とともに躍る姿を目にすることができ、青森観光の目的は達成。
同日夜に開催された花火大会はかなりの賑わい。普段は閑散としている青森駅前からの商店街にも人手が多く、足しげく通っていた吉野家も大混雑。不本意ながら開始時刻ギリギリに会場を訪れたものの、花火をきれいに見ることができる場所を確保でき、日本の夏の花火を楽しみました。これにて約1年に渡る私たちの旅日記は終了です。
おまけ。苦楽を共にしてきたトレッキングシューズは、青森ですべての野外活動を終えたあとに浅虫温泉で葬りました。1年間、ろくに手入れもせず岩場や雪の上を歩き回っていましたが、穴が開いたりソールが剥がれたりすることなく縁の下の力持ちの役割を果たしてくれました。購入時に撮影した状態(写真下)と比べるとかなりくたびれていることが一目瞭然です。
青森での自然散策とねぶた鑑賞1/2:奥入瀬・白神山地(世界一周361~369日目)
北海道内では釧路市から約400km運転して新千歳空港で車を返却し、電車で札幌市へ。同日の夜に札幌市を発つ夜行バスに乗り函館市へ移動して、朝のフェリーで津軽海峡を渡って青森へ到着したのでした。節約旅の悲哀。
船内の三等室は、銭湯の休憩室のような畳敷きの部屋。乗客が少なかったのか貸し切りでした。他の乗客を強盗かもしれないと疑うことなくリラックスして過ごせるのが日本の素晴らしさ。移動中は夫と2人で爆睡でした。
私たちが青森を訪れたのはちょうどねぶた祭りの時期。到着したのは7月下旬だったため、先に奥入瀬渓流(地図のC地点)や白神山地(同E地点)を回って自然の中を歩き、青森市に戻ってねぶた祭りを鑑賞するという計画を立てていました。
中でも、青森のハイライトとして楽しみにしていた白神山地には3泊して滝や湖巡り、山歩きを楽しむつもりが、一か所に長時間滞在して自然を体感するというより各スポットを車で回りながら景色を眺めることを想定して整備されているように見受けられ期待外れ。暑さと蚊の多さも手伝って1日半で観光を切り上げ、代わりに三大ねぶた祭(青森のねぶた、弘前のねぷた、五所川原の立佞武多)を鑑賞することにしたのでした。
奥入瀬渓流では、途中の駐車スペースに車を置いて十和田湖まで約9km渓流沿いを散策。澄んだ流れは目に清く、渓流を取り囲む緑は爽やかで気持ちのよい遊歩道でした。が、ビジターセンターには控えめながら車の乗り入れを制限したい旨の掲示があるにも関わらず、観光マップに掲載されているビューポイントに歩道からアクセスできなかったり、案内の掲示が車道からしか確認できなかったり、車以外の移動手段であるバスの運賃が高かったり(路上駐車をしながら観光すれば無料)、車での観光者目線で設計されていたのには釈然としない思いでした。
世界遺産の白神山地ではさらにがっかりすることが多く、日本の自然系アトラクションに対する信頼感が低下する結果となりました。
はじめに訪れたのは、3つの滝から構成される暗門滝。散策コースの入り口にある観光案内所で「安全のためヘルメットの着用が義務付けられている」との説明を受け、ヘルメットをレンタル(100円)。と言ってもアクセスできるのは第3と第2の滝のみで、第1の滝は道の状態が悪く土砂崩れの危険性があるため閉鎖中とのこと。危険エリアへの立ち入りを禁じているのならヘルメットも不要では…?
往路はブナ林が楽しめるという山道を選ぶも、ものすごい湿気と暑さで景色どころではない状況。さらに、植物に詳しくない私たちには普通の森にしか見えず、ありがたみを感じることができませんでした。
山を越え、川沿いに出て暗門川を上流に向かって歩くとその内に現れるのが第3の滝と第2の滝。どちらも何の変哲もない滝です。「世界遺産」の白神山地にあるからもてはやされるのでしょうか。
岩崩の危険があるためとの説明を受けてヘルメットをレンタルしたものの、実際に歩いてみると普通の山道。専門家ではないのでその危険性に言及することはできませんが、ハイキングルートの説明書きを掲示し、ヘルメットの貸し出し体制を整えた上で、あとは個人の判断に委ねる(何か起こった際には自己責任)ので十分ではないかと感じました。
翌日は十二湖へ。この付近には33の天然湖沼があるようですが、崩山(くずれやま)のビューポイントから観察できる湖沼が12だったことから呼び名として定着したようです。駐車場からほど近く、その名の通り青く輝く青池(あおいけ、写真上)が有名で旅行客を集めていましたが、静けさの中で眺める沸壷ノ池(わきつぼのいけ、同下)が幻想的でとても美しく、印象に残っています。
当初は、崩山に登って十二湖を見下ろそうと考えていましたが、暗門滝での山登りの魅力が乏しかったことと、あまりの暑さに中止することに。白神岳への登山も取り止め、余った時間をつぶすために急遽五所川原市で立佞武多を鑑賞することにしたのでした。